パワーポイントで資料を作る際、読み手にとって見やすくわかりやすい資料になっているかを意識することは非常に重要です。そして、資料の見やすさを左右する要素には、レイアウトや色使い、構成など様々なものがありますが、その中でも多くの人が「文字の大きさ」について悩むでしょう。

そこで今回は、パワーポイントの見やすい文字の大きさの決め方について解説します。利用シーンごとのおすすめのフォントサイズや、文字を見やすくするためのコツについても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

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最適な文字の大きさは断言できない

結論から申し上げると、パワーポイントにおいて「最適なフォントサイズは〇〇pt」と断言することはできません。それは、以下の要因があるためです。

利用シーンによって変わる

パワーポイントの文字の大きさを決める際は、資料をどのようなシーンで使用するかを考慮して選定することが重要です。大きな会議室で前面のスクリーンに投影してプレゼンテーションを行うような場合と、資料を印刷して手元で見せながら説明する場合とでは、見やすい文字の大きさが変わるからです。

たとえば、用語の補足説明などは一般的に小さな文字で記載されることが多いです。PCで表示する、印刷して手元で資料を見せるといった場合には、「8~9pt」のフォントサイズでも十分文字を読むことが可能です。しかし、これをプロジェクターで投影して大きな会議室で資料を見せる場合、「8~9pt」では文字を読むことは難しいでしょう。

複数の利用シーンが考えられる場合は、同じ資料であってもシーンに合わせてサイズ調整をすることが理想的です。

スライドサイズによって変わる

パワーポイントは、スライドサイズによって文字の大きさが変わってしまうという特徴があります。説明だけではイメージがつきにくいと思いますので、具体例を見ていきましょう。

パワーポイントを起動すると、デフォルトのスライドサイズは「16:9」で表示されます。

その状態で、「60pt」の大きさで文字を挿入した状態が上図です。

その状態のまま、スライドサイズを「4:3」に変更すると、

フォントサイズも「45pt」に変更されました。

このように、スライドの大きさを変更すると、文字の大きさも変わってくるため、文字の大きさを決めるよりも先にスライドの大きさを決めることが重要です。

スライドの大きさの決め方は、資料の利用シーンによって異なります。PCやモニターでの表示、プロジェクターでの投影の際は「16:9」が推奨され、用紙に印刷したり複数のデバイスで資料を閲覧したりする際は汎用性の高い「4:3」がおすすめです。

書体によって変わる

文字の大きさは、使用する書体によって異なります。

上図は、一般的によく用いられる書体である「游ゴシック 本体」と「メイリオ」を同じ大きさに設定して大きさを比較した例です。微妙な違いではありますが、メイリオの方が1文字1文字の横幅がしっかりとあり、文字が全体的に大きく見えます。また、書体固有の太さもあるため、サイズが同じでも太い文字の方が目立ちやすいです。

このように、同じサイズで設定しても書体によって実際の文字の大きさや見え方の印象が変わるということを理解しておきましょう。

【利用シーン別】おすすめの文字の大きさ

パワーポイントで資料を作成する際は、利用シーンに応じて適切なスライドサイズや文字の大きさを決めることが重要です。そのため、利用シーンごとにおすすめの文字の大きさを紹介します。

PCに表示・印刷して配布する場合

最も一般的な利用シーンとして考えられるのは、資料をPCで表示したり、印刷して資料を配布したりするシーンです。このような場合、推奨される本文のフォントサイズは、「14~16pt」です。

近距離で資料を見ることが可能なので、14pt以下でも視認することは可能ですが、見やすさを考慮すると、上記のサイズに設定することがおすすめです。なお、補足説明など小さく表記したい文字に関しては、「8~9pt」で設定すると良いでしょう。

小さな会議室でモニターに写して見る場合

社内の打ち合わせや小規模な会議の場合、会議室のモニターに写して資料を見るシーンがあります。このようなシーンでは、「18〜20pt」の大きさで本文を記載することがおすすめです。

また、スライドサイズはモニターのアスペクト比に合わせて、「16:9」にすることが望ましいです。ワイドになった横幅を有効活用し、可読性の高いフォントサイズを意識しましょう。

なお、補足説明部分のフォントサイズは「12~14pt」がおすすめです。

大きな会議室でプロジェクターで投影する場合

セミナーやプレゼンテーションの場などでは、大きな会議室で前面のスクリーンにプロジェクターで資料を投影するシーンが想定されます。資料を投影するスクリーンと、視聴者が座る位置が大きく離れるため、フォントサイズの選定には細心の注意を払う必要があります。

このようなシーンでは、後方に座っている人でも文字が明瞭に読めるように、「24~28pt」の大きさで本文を記載することがおすすめです。補足説明部分の小さな文字は、「16~18pt」で記載すると良いでしょう。

フォントサイズが大きくなると、1スライドに記載できる文字数が限られてくるため、内容を精査して要点だけをまとめる必要があります。伝えたいメッセージを明確にし、必要に応じて図表を用いて文字ではなく視覚的に情報を伝える工夫が重要です。

パワーポイントの文字を見やすくするためのコツ

パワーポイントの文字を見やすくするためには、以下のコツを押さえておきましょう。

資料内で使用する大きさは3種類程度にする

資料には本文以外にもタイトルや見出し、強調箇所(キーワード)など、それぞれ役割を持った文字があります。それらの役割や情報の優先順位を持たせるために、文字のサイズを使い分けることが一般的です。

しかし、様々な大きさの文字があると視線の流れが乱れたり、どの文字が何の役割を持っているかがわからなくなったりして、可読性が低下してしまうリスクがあります。そのため、資料内で使う文字の大きさは、3種類程度に抑えるようにしましょう。

一般的には、

  1. スライドタイトル
  2. 見出し
  3. 本文

の3段階でそれぞれ文字の大きさを決め、資料内で統一することが推奨されます。そうすることで、読み手が自然と重要な情報に目を向けやすくなり、可読性が高まるでしょう。

文字のジャンプ率をほぼ一定にする

文字のジャンプ率とは、大きさの差の倍率を表すものです。たとえば、タイトルが24pt、見出しが16ptの場合、ジャンプ率は1.5倍になります。

文字のジャンプ率を一定に保つことで、資料全体に統一感が生まれ、読みやすく洗練された印象を与えることができます。反対に、ジャンプ率が一定でなければ、デザインのバランスが崩れ、読みにくいという印象を与えてしまうでしょう。

文字のジャンプ率を一定に保つとは、本文→見出しのジャンプ率と、見出し→スライドタイトルのジャンプ率を一定に保つということです。

  • 本文:14pt
  • 見出し:20pt(ジャンプ率:約1.5倍)
  • スライドタイトル:30pt(ジャンプ率:1.5倍)

ジャンプ率は一定に保たれていれば良いというわけではなく、資料全体のバランスや見やすさを考慮することが重要です。ちなみに、文字のジャンプ率には黄金比(1.618倍)や白銀比(1.414倍)があるので、意識しておくと良いでしょう。

資料の最後まで文字の大きさを統一する

基本中の基本ともいえることですが、同じ役割を持った文字は資料の最初から最後まで大きさを統一することが重要です。

例外として、強調部分だけ文字を大きくするなどの工夫を加えることは問題ありません。しかし、スライドによって本文や見出しの大きさがバラついているということがないように心がけましょう。

最後まで一貫したサイズで整えることで、資料全体の完成度が高まり、伝えたい内容がよりスムーズに伝わる資料になります。

見やすい文字の大きさは資料の完成度を高める

文字の大きさは、一見シンプルな要素に見えますが、実際には利用シーンやスライドサイズなど様々な要素を加味して選定する必要がある、重要な項目の1つです。図表やイラストのようなインパクトはありませんが、文字の大きさが工夫され、統一されていると資料全体の印象や読み手の理解度を高めることにつながります。

パワーポイントで資料を作成する際は、今回紹介した内容を参考にして文字の大きさを決めて見やすい資料に仕上げましょう。もし、パワーポイントの質を高めたいのであれば、プロの制作会社に依頼することも選択肢の1つです。

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