
テキストや画像、動画からなり、Webサイトやモバイルアプリなど様々な場所に表示されるGoogleディスプレイ広告は、認知拡大に大きく貢献してくれる媒体の1つです。
ただ、幅広い場所に掲載されることは知っていても、具体的にどこに表示されるのだろうと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Googleディスプレイ広告がどこに表示されるのかをわかりやすく解説していきます。Googleディスプレイ広告を配信するメリットやデメリット、成功させるためのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Googleディスプレイ広告(GDN)とは
Googleディスプレイ広告はバナー広告やコンテンツ連動型広告とも呼ばれ、Webサイトやモバイルアプリなどの広告枠に表示されます。テキストだけでなく、画像や動画といったクリエイティブも配信することが可能です。
Googleディスプレイ広告の大きな強みとして挙げられるのが、潜在層への訴求力の高さです。
ディスプレイ広告は発信するコンテンツと関連性の高いWebサイトやアプリに表示されます。そのため、「商品やサービスを認知していないけれど興味を持ってもらえそう」なユーザーに対して広告を配信できます。
Googleディスプレイ広告はどこに出る?
前提として、Googleディスプレイ広告が掲載されるのは、Googleと提携している200万以上のWebサイトやサービス(YouTubeやGmail)、アプリなどです。こうした配信面は「Googleディスプレイネットワーク」(GDN)と総称されます。
どういった場所に配信されるのか、どのような形で掲載されるのかなど、もう少し具体的に解説していきます。
- Webサイト
- Googleが運営するサービス
- モバイルアプリ
Webサイト

ディスプレイ広告の掲載場所として最も一般的なのが、Webサイトです。Googleと直接提携しているサイトの他、Google AdsenseやGoogle Ad Managerといったサービスに登録しているWebサイトにも広告が表示されます。
Googleが提携している代表的なWebサイトとしては、主に以下が挙げられます。
- goo
- livedoor
- OCN
- 価格.com
Googleは一定の基準を元に、ディスプレイ広告を掲載できるWebサイトを管理しています。そのため、ユーザーに不快感を与える、ギャンブルに関連しているなど不適切だと判断されたWebサイトには掲載されません。
ただし、Googleの規制が不十分なケースもあり、広告主のブランドにそぐわないWebサイトに表示されてしまう可能性も考えられるため注意が必要です。
Googleが運営するサービス

Googleが運営する以下のようなサービスにも、ディスプレイ広告が表示されます。
- YouTube
- Gmail
- Googleマップ
- Google Play
- Google Discover
- Google News
YouTubeにおける動画視聴時の関連動画スペース、Gmailのプロモーションタブなど画面上の目立つ位置に表示できるケースもあり、高い訴求力が期待できます。
モバイルアプリ
Googleディスプレイネットワークに登録されているモバイルアプリにも、広告を掲載することが可能です。新たなアプリのリリースや既存アプリのアップデートが頻繁に行われることもあり、表示されるアプリのラインナップは多岐に渡り、また常に変動します。
配信面を設定する方法
Googleディスプレイ広告の配信面は、以下2種類の方法で設定することができます。
- 手動プレースメント
- 自動プレースメント
手動プレースメント
手動プレースメントでは、広告を表示するWebサイトをURL単位で指定することが可能。掲載先を細かく指定したい場合におすすめの方法です。
ただし、特定のWebサイトにだけ広告を配信していると、潜在的なニーズを持ったユーザーへの表示機会を損失してしまう可能性も考えられます。
自動プレースメント
キーワードやトピックを絞り込み、自社の商材やサービスと関連性の高い配信面に広告を表示させるのが自動プレースメントです。
トピックはあらかじめ用意されているリストの中から選ぶことが可能。例えば、自動車や美容、フィットネス、自転車などが挙げられます。キーワードは広告主自身で選択することができるため、商材との関連性が高いものを追加していくのが良いでしょう。
Googleディスプレイ広告のターゲティング
Googleディスプレイ広告のターゲティングは、以下の2つに大別できます。
- オーディエンスターゲティング
- コンテンツターゲティング
オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングでは、広告を「誰に」配信するかを絞り込むことができます。
ユーザー属性 | 年齢・性別・世帯年収など | |
---|---|---|
詳しいユーザー属性 | 学歴・住宅所有状況など | |
地域 | 国・特定の地点を中心とする半径の範囲・地域グループなど | |
購買意向の強いセグメント | アート・園芸など特定のカテゴリの類似商材の購入を前向きに検討する過去の行動 | |
アフィニティセグメント | フィットネス・旅行など特定のカテゴリへの関心 | |
カスタムセグメント | ・特定のキーワードへの関心・購入意向 ・特定のURLと類似したWebサイトの閲覧 ・特定のアプリと類似したアプリの使用 |
|
ライフイベント | マイホームの購入・引っ越し・結婚など | |
データ セグメント | リマーケティング | 過去に自社サイトやアプリにアクセスしたことがあるユーザー |
類似セグメント | リマーケティングのユーザーリストに似ているユーザー | |
カスタマーマッチ | 自社で保有している顧客情報リスト |
コンテンツターゲティング
コンテンツターゲティングでは、Googleディスプレイ広告を「どこに」表示させるかを絞り込みます。
キーワード | 広告主が指定したキーワード |
---|---|
トピック | 農業・音楽・健康・美容・フィットネスなど |
プレースメント | Webサイト・サイト内の特定のページ・アプリ・動画など |
広告を見せたいユーザーが明確であればオーディエンスターゲティング、広告を配信したいサイトがある程度定まっていたらコンテンツターゲティング、と使い分けるのが効果的です。
Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)との違い
Googleディスプレイ広告と並んで代表的なディスプレイ広告として挙げられるのが、Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)です。Googleディスプレイ広告とYahoo!ディスプレイ広告は、主に以下の2点で異なっています。
- 配信面
- ターゲティング
配信面
先述の通り、Googleディスプレイ広告では、Googleと提携している数多くのWebサイトやサービスに広告を配信することが可能です。pixivや食べログといった利用者が多い大手サイトから、Google Adsenseに登録している個人サイトまで幅広く掲載できます。
さらに、世界最大の動画プラットフォームであるYouTubeに広告を配信できるのは、Googleディスプレイ広告の大きな強みと言えるでしょう。
一方、Yahoo!ディスプレイ広告が表示されるのは、Yahoo!天気やYahoo!知恵袋といったYahoo!が運営するサービスや、以下のような提携サイトが中心です。
- LINE タイムライン
- CookPad
- 朝日新聞デジタル
- BuzzFeed
Yahoo!ディスプレイ広告の大きな特徴として、個人サイトには配信されない点が挙げられます。信頼性の高いサイトだけに広告を掲載できるのがメリットの1つです。
ターゲティング
先述の通り、Googleディスプレイ広告では以下2つのターゲティングを利用することができます。
- オーディエンスターゲティング:「誰に」配信するかを絞り込む
- コンテンツターゲティング:「どこに」配信するかを絞り込む
一方、Yahoo!ディスプレイ広告でも同様に「誰に」「どこに」配信するかを設定することが可能ですが、特徴的な機能としてサーチキーワードターゲティングが挙げられます。
Yahoo! JAPANなどでの検索履歴を元に絞り込むことができ、アピールしたいサービスや商材に潜在的に興味を持っているユーザーにアプローチしやすいです。
Googleディスプレイ広告のメリット
Googleディスプレイ広告のメリットについて、Google広告の代表的な種類の1つとして挙げられるリスティング広告(検索連動型広告)と比較しながら解説していきます。
- 潜在層にアプローチできる
- 視覚・聴覚に訴えられる
潜在層にアプローチできる
リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに応じて配信されます。既に商材やサービスに興味を持ち、能動的に情報を集めようとしている層へのアプローチに強い広告です。
一方、過去のユーザー行動や興味関心に基づいて配信されるディスプレイ広告では、商材やサービスを知らない層に対して訴求することが可能です。潜在的なニーズを持ったユーザーが受動的に情報を入手できるため、新規顧客の獲得やブランド認知の拡大を狙いたい場合におすすめです。
視覚・聴覚に訴えられる
基本的にテキストだけが表示されるリスティング広告に比べ、Googleディスプレイ広告は画像や動画による視覚的、聴覚的な訴求をすることができます。
具体的には、商材を実際に利用している様子を動画でわかりやすく伝える、強調したいメッセージを画像内で大きく目立たせるといったアピールが可能です。
Googleディスプレイ広告のデメリット
Googleディスプレイ広告が表示されるのは、Webサイトやアプリ内のコンテンツの周辺です。Instagramのストーリーズ広告、TikTok広告のブランドテイクオーバー広告などとは異なり、デバイスの全画面を占有することはできません。
さらに、Googleディスプレイ広告が表示されるユーザーの多くは、能動的に情報を収集していない潜在層です。広告のクリックや、コンバージョンに繋がる具体的なアクションを強く促すのは難しいと言えます。
運用する際の注意点
Googleが公式に発表している広告ポリシーでは、「テキスト(テキスト入りのロゴを含む)が画像の面積の20%超を占めている」広告は許可されないと示されています。
上記はGoogleが定めている要件を守るというのももちろんですが、広告自体の視認性を高めるためにも重要です。文字量が多すぎると重要な情報が伝わりづらいだけでなく、読み切るのに時間がかかるためユーザーにストレスを与え、離脱されやすくなってしまいます。
画像だからこそ伝えられるデザインの雰囲気や情報の強弱をユーザーが一目でわかるようにするためには、掲載するテキストは最低限に抑えるのがベストだと言えます。
Googleディスプレイ広告の運用を成功させるポイント
Googleディスプレイ広告の配信で成果を出すためには、以下の3点を押さえておくことが重要です。
- 配信する目的をはっきりさせる
- クリエイティブの改善を繰り返す
- ターゲティング・配信面を定期的に精査する
配信する目的をはっきりさせる
あらかじめ目的を決めておくことで、「目的の達成に繋がるかどうか」という一貫した指標に基づいて、クリエイティブのデザインやターゲティングを精査することができます。
目的を定めておくことは、効果測定を実施する上でも欠かせません。目指す姿が明確でないと、定量的な目標数値を決められず、期待した費用対効果を得られているかどうかを正しく評価することが難しくなります。
クリエイティブの改善を繰り返す
Googleディスプレイ広告の配信を成功させるためには、適切な戦略設計が大きなカギとなります。ただし、戦略を練ることに力を入れすぎて、配信開始が遅れてしまうのは避けるべきです。
他の媒体にも言えることですが、後で改善することを前提として、ある程度方針を決めたら実際に配信し、その結果を踏まえて改善を繰り返しましょう。
クリエイティブに関しても、メインで訴求するポイントやキャッチコピーなどの改善を繰り返し、ターゲットユーザーに刺さる最適なクリエイティブを探ることが大切です。
クリエイティブを定期的に変更することには、同じデザインを配信し続けてユーザーに飽きられてしまうのを防ぐ狙いもあります。
配信面を定期的に精査する
お伝えしているように、Googleディスプレイ広告では配信先を絞り込めますが、自社の商材やサービスとは関連性の低い配信面に広告が表示されてしまうこともあります。
広告が実際にどこに表示されているのかを定期的に確認し、必要に応じて調整しましょう。本来想定していなかった掲載先への配信を停止したり、成果の高い配信面に予算を集中させたりすることで、費用対効果の向上を目指せます。
特性を活かした運用で成果を上げよう
Googleディスプレイ広告は今回ご紹介したような幅広い場所に表示され、世界中のインターネットユーザーの約90%にリーチできるとも言われています。
期待する成果を得るためには、明確な目的と戦略を定め、広告を表示させるユーザーの属性や配信面、クリエイティブなどについて、工夫と改善を重ねることが重要です。
戦略設計や運用には専門的な知識やスキルが必要であるため、自社に担当できる人材がいない場合は、プロに依頼するというのも選択肢の1つとして検討してみてください。
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