
本記事では、オウンドメディア運営がもたらす集客や売上向上に繋がる6つのメリットや、メリットを最大限に生かすポイントを徹底的に解説します。
これからオウンドメディアを立ち上げようと考えている方はもちろん、すでに運用を始めているものの課題を感じている担当者の方にも役立つ内容となっています。ぜひ最後までご覧ください。
※オウンドメディアとは、狭義では企業が所有し運営するWebサイトやブログなど、コンテンツ発信を目的としたWebメディアを指します。
広義ではSNSやメルマガ、パンフレットなど、企業が所有・管理できるすべてのメディアを含みますが、本記事では、狭義のオウンドメディアに焦点を当てて解説していきます。
なぜ今オウンドメディアなのか?

ネット上には情報が無数にあふれており、意図せずとも目に飛び込んでくる状況が当たり前になっています。そんな中、消費者は自分にとって本当に価値のある情報を自ら積極的に探し、見極める傾向にあります。
こうした背景から、広告やマスメディアといった媒体を通じて伝えた情報を、そのまま受け入れるのではなく、自ら情報を集めて判断するという行動を取る消費者が増えています。そこで注目されているのが、企業が自らの言葉で顧客と直接コミュニケーションを図れるオウンドメディアです。
また、検索エンジンのアルゴリズムが進化して質の高いコンテンツが評価される傾向が強まっていることも、オウンドメディアの重要性を後押ししています。
価値ある情報を継続的に発信して顧客との信頼関係を築く有効な手段として、オウンドメディアはますます注目を集めています。
オウンドメディア運営がもたらす6つのメリット

企業がオウンドメディアを運営するメリットとしては、以下の6点が挙げられます。
- 質の高い見込み顧客を効果的に獲得できる
- 広告宣伝費を抑えられる
- 強固なブランドイメージを構築できる
- 採用活動の強化・優秀人材の確保に繋げられる
- コンテンツが資産として蓄積される
- 多様なマーケティング施策との相乗効果が期待できる
質の高い見込み顧客を効果的に獲得できる
オウンドメディアの最大のメリットは、自社に興味を持つ「質の高い見込み顧客」を集められることです。
作成したコンテンツが自社事業に関連するキーワードで検索上位に表示されれば、そこから多数のユーザーの流入が見込めます。能動的に情報を集める消費者に有益な情報を提供できるだけでなく、自然な流れで自社の製品やサービスを訴求することも可能です。
自発的にオウンドメディアを訪れるユーザーは購入意欲が高く、成約にも繋がりやすいと考えられるため、効率的な集客と対応コストの削減を目指せます。契約率や継続率の高いユーザーを集客できれば、LTV(顧客生涯価値)の向上にも貢献してくれるでしょう。
広告宣伝費を抑えられる
表示回数やクリック数に応じて都度費用が発生するWeb広告とは異なり、オウンドメディアは構築費用や運用コストはかかるものの、毎月まとまった費用が発生するといったことはありません。
作成したコンテンツをニーズの高いキーワードの検索結果で上位に表示させられれば、自然検索からの安定した流入を見込むことができ、コンテンツが広告の役割を担ってくれます。
広告宣伝費の削減に繋げられるという点も、オウンドメディアの大きなメリットの1つです。
強固なブランドイメージを構築できる
オウンドメディアを通じて自社の理念や価値観、専門性などを発信することで、独自のブランドイメージを構築できます。 一貫性のある情報発信はユーザーからの信頼や共感を育み、競合他社との差別化にも繋がるでしょう。
お役立ち情報の発信や自社製品の紹介に留まらず、企業のストーリーやビジョンを伝えることで、より深いレベルで顧客と繋がり、強固なブランドロイヤルティを築けます。
採用活動の強化・優秀人材の確保に繋げられる
オウンドメディアは顧客だけでなく、将来の従業員に向けても自社の魅力を発信できる場となります。
企業文化や働く環境、社員の声などを積極的に発信することで、理念やビジョンに共感した優秀な人材の応募を促進できます。あらかじめ自社の価値観や働き方を理解した上で応募してもらえるため、採用ミスマッチの防止や定着率の向上も目指せるでしょう。
コンテンツが資産として蓄積される
Web広告は配信期間が終わると表示が停止しますが、オウンドメディアで制作したコンテンツは、一度公開すればインターネット上に残り続けるという点も大きなメリットです。
過去に作成した記事が検索エンジンで高く評価されれば、広告費をかけることなく安定した集客力を維持することができます。さらに、コンテンツが蓄積されていくとSEOの観点で有利に働き、継続的な流入増加を促す好循環を生み出してくれます。
オウンドメディアで制作したコンテンツは「企業の資産」として蓄積され、長期的に集客や顧客育成に貢献してくれます。
多様なマーケティング施策との相乗効果が期待できる
オウンドメディアは他のマーケティング施策と組み合わせることで、より高い効果を発揮します。
- 記事コンテンツをSNSで拡散する
- メールマガジンへの登録を促す導線を設ける
例えば上記のような施策を組み込むと、より幅広いユーザーにリーチしたり、顧客との関係性を深めたりすることが可能になります。
さらに、以下のような分析ツールを活用してコンテンツの閲覧データからユーザーのニーズや行動傾向を把握できれば、より顧客に”刺さる”施策の立案に役立てられるでしょう。
Google Analytics | Webサイトやアプリのアクセスデータを解析できる |
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Google Search Console | Google検索結果におけるWebサイトのパフォーマンスを解析できる |
ヒートマップツール (Microsoft Clarityなど) |
Webサイトに訪れたユーザーの行動を色の濃淡で可視化できる |
このように、オウンドメディアは単体でも効果を発揮しますが、マーケティング全体の中核として活用することで、施策全体の効率と成果の改善に繋げられます。
知っておきたい!オウンドメディア運営のその他のメリット

オウンドメディアは、社外だけでなく社内への情報発信にも有効です。
- 業界の基礎知識やノウハウをまとめた記事を新入社員の教育コンテンツとして活用する
- 経営陣のメッセージや事業戦略を共有して社員への理念の浸透・認識の統一を図る
- 各部署の取り組みを紹介して部署間の理解促進・社内の一体感醸成を目指す
- 社員インタビューやイベントレポートを掲載して共感・愛着を育む
上記のような活用が可能であり、情報を一方的に発信するだけでなく、企業文化を育て、社員同士の繋がりを強めるプラットフォームとしての役割を担ってくれます。
オウンドメディアのメリットを最大限に生かすポイント

ご紹介してきたオウンドメディアのメリットを最大限に生かすためには、以下のポイントが重要です。
目的とターゲットを明確化させる
オウンドメディアを成功に導くための第一歩は、運営の目的や「誰に何を届けるのか」といったコンセプトを明確にすることです。
メディアの土台となる方針をあらかじめ定めておくことで、どんなコンテンツを制作するか、導線設計をどう組むかといった判断を一貫した基準で行えるようになります。
ターゲットを設定する際には、年齢や居住地といった基本情報に加え、休日の過ごし方や抱えている悩みなど、生活背景まで踏み込んだペルソナ設計が効果的です。具体的なニーズをより高い解像度で把握することで、ターゲット層に刺さる戦略を立案しやすくなります。
質の高いコンテンツを制作し続ける
ユーザーのニーズに沿ったコンテンツを継続的に公開・更新し、流入を維持することが重要。情報が古くなると、ニーズとのズレが生じやすくなってしまうためです。
加えて、日々変化する検索エンジンのアルゴリズムの傾向に適応できなくなり、検索順位の低下や流入減少を招くリスクもあります。
定期的な新規記事の公開や既存記事のリライト・改善を習慣化し、常にコンテンツをブラッシュアップし続けることが重要です。
自社の知識や経験を活かしたオリジナルコンテンツを発信できれば、他メディアとの差別化が図れます。ユーザーの関心を引き、商品の購入や問い合わせ数の増加にも繋げられるでしょう。
SEOを意識したサイト・コンテンツ制作を心掛ける
制作したコンテンツが「検索上位に表示できれば」アクセス数を伸ばせる、とお伝えしてきました。しかし、闇雲にコンテンツを量産するだけでは上位表示を実現できません。SEO(検索エンジン最適化)の観点を踏まえた取り組みが必須となります。
効果的な対策としては、以下のポイントが挙げられます。
- ユーザー流入が見込めるキーワードを選定する
- オリジナリティのある一次情報を盛り込む
- 上位記事に匹敵するボリュームで良質な記事を制作する
- 検索エンジンに理解されやすいサイト構造を心がける
- モバイルフレンドリーなサイト設計を取り入れる
とはいえ、最も重要なのは、ユーザーが知りたい情報をわかりやすく提供することです。
企業内部の担当者がコンテンツ制作を進めると、自社が伝えたい情報ばかりを優先してしまい、ユーザーを置き去りにしてしまうリスクがあります。常に「ユーザーの検索意図を満たすこと」を念頭に置きながらコンテンツ制作に取り組むことが、成功への近道です。
オウンドメディアのデメリット・注意点

オウンドメディアの運営には、以下のようなデメリットと注意点があります。
成果が出るまでに時間がかかる
オウンドメディアは、短期間で成果が出る施策ではありません。コンテンツの企画・制作に時間がかかる上、公開した記事が検索エンジンに評価されて上位表示されるまでには、一般的に最低でも半年程度の時間が必要とされています。
Web広告とは違って短期的な効果を期待できない点は十分に留意すべきです。すぐに結果が出ないからといって更新を止めてしまうと、それまでに投じた時間やコストが無駄になってしまうリスクもあります。
運営リソースを確保しなければならない
オウンドメディアを立ち上げる際は、サイト構築やデザイン設計などの初期リソースが必要となります。
運用段階においても、リソースの確保が不可欠です。コンテンツのボリュームにもよりますが、良質な記事を制作しようと思うと、1本の執筆に数時間費やさなければならないこともあります。
企画・情報収集・執筆・公開・効果測定・リライトといった各プロセスを踏みながらコンテンツを定期的に更新しようと思うと、まとまった時間と労力を確保しなければなりません。
オウンドメディアは長期的な施策であり、リソース不足による運用停止やコンテンツ更新の滞り、効果測定の未実施などは避けたいものです。事前にしっかりと運用体制を整えた上でスタートするのが良いでしょう。
結果を出すためには専門知識やスキルが必要である
オウンドメディアでしっかりと成果を出すためには、SEO、コンテンツマーケティング、Webサイト運営など、多岐にわたる知識と実践的なスキルが必要です。
- 集客したユーザーを成果に繋げるためのマーケティング知識
- 効果測定のための分析スキル
- Webサイト構築・運営に関するIT知識
上記のような知識やスキルが不足している場合、期待した効果が得られないだけでなく、間違った方向に進んでしまうリスクもあります。社内に専門知識を持つ人材がいない場合は、外部の専門家やコンサルタントの支援を検討することも有効な手段です。
株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、オウンドメディアの制作から運用支援、効果測定、改善提案まで一気通貫の支援が可能です。オウンドメディアについてご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
オウンドメディアの特徴を理解して自社の成長戦略に活かそう
オウンドメディアは顧客との長期的な関係を構築し、ブランド価値を高め、持続的な成長を実現するための強力なマーケティング戦略 です。
質の高い記事を発信し、効果測定を繰り返しながら改善を続ければ、オウンドメディアは企業にとって、成長を力強く後押ししてくれるかけがえのない資産となってくれます。
自社の目的やターゲットに合わせた戦略的な運営を行い、長期的な視点で企業の成長戦略の中に位置づけてみてはいかがでしょうか。