2025年6月に日本国内でもローンチされた TikTok Shop。サービス開始直後よりすでにアパレル、コスメ、家電など多岐にわたる企業が参入し、新たな販売チャネルとして活用が進んでいます。
市場の動向を見ると、ローンチから約3ヶ月で国内主要セラーの流通総額（GMV）は約30億円に到達しており、企業のマーケティング担当者にとっても無視できないプラットフォームへと成長しています。
本記事では、TikTok Shop の基本的な仕組みや従来の EC との違いを整理したうえで、最新の市場データや国内外の成功事例を紹介します。また、具体的な導入メリットや開始までの流れについても解説します。
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TikTok Shop（ティックトックショップ）とは
TikTok Shopは、中国ByteDance社が提供するSNS「TikTok」アプリ内で、商品探し（発見）から購入までを完結できるEC機能です。
ユーザーが TikTok アプリ上でショート動画やライブ配信を観ながら、アプリ上で商品を直接購入できる「発見型 E コマース」を実現している点が特徴です。
2025年6月の日本ローンチ以降、アプリ内決済の実装やショップタブの常設など、EC プラットフォームとしての機能拡充が進んでいます。こうした環境の変化に伴い、国内の市場規模も急速に拡大しています。
従来の EC との違い
一般的な EC サイトや SNS 広告と TikTok Shop の最大の違いは、TikTok Shopが偶然見つけた商品をその場で購入まで完了できる「発見型Eコマース」である点です。
従来の「あらかじめ欲しい商品があり検索して購入する」「検索型EC」のとは異なり、TikTokでは動画視聴というエンタメ体験の延長線上で商品と出会い、そのままワンタップで購入まで進めます。
また従来のSNS広告では、見つけた商品を一度プラットフォーム外のECサイトで検索・閲覧し、購入手続きに進む必要がありましたが、TikTok Shopではアプリ内で商品発見から購入完結まで可能。プラットフォーム間の移動をなくしたスムーズな設計により、TikTok Shopでは従来より購入されやすい環境を実現しています。
日本での展開状況
TikTok Shopは2025年6月30日に日本にも上陸。動画を見ながらそのまま商品を購入する、というエンタメとショッピングが融合した購買体験が浸透し始めています。
ローンチから3ヶ月で売上約30億を達成し、ローンチ後1年で市場規模は約500億円になると予測されています。
2025年11月時点での月間GMV（流通総額）推計値は約36.4億円となり、前月から68.4%増加。新商品のリリースやブラックフライデーの大型セールと重なり大きく伸長しています。
販売件数が多かった商品カテゴリは「美容パーソナルケア」「食品・ドリンク」「おもちゃ・ホビー」など。前月比で見ると「食品・ドリンク」「レディースファッション」が大きく成長しています。
出典：
株式会社ライブコマース｜【最新】TikTok Shop 日本市場 2025年11月レポート公開
studio15株式会社｜【市場動向調査】TikTok Shop日本市場、ローンチ後1年で約500億円規模へ
TikTok Shop の主要機能
TikTok Shopの主要機能には以下のようなものがあります。
- ショッパブルビデオ
商品リンク（アンカーリンク）を埋め込んだショート動画です。動画内のアイコンをタップさせることで商品ページへ誘導できます。 - ライブ配信
ライブ配信画面に購入ボタンや商品リストを表示。視聴者はコメントで質問しながらリアルタイムで買い物できるので購買意欲を高めやすいです。 - ショーケース
プロフィール画面に常設される商品一覧タブです。動画がバズっていない平時においても、指名検索やプロフィール経由での安定した商品閲覧・購入が見込めます。 - ショップタブ
アプリ上で出品されている商品を一覧で見れる一覧タブです。ショート動画や商品ページがカテゴリごとに混在して表示されます。 - アフィリエイトプログラム
クリエイターと販売者をつなぐ機能です。企業はクリエイターに対して「売上の◯％」という成果報酬条件で商品紹介を依頼でき、自社のリソースを使わずに認知を拡大させることが可能です。
ショッパブルビデオ
ショッパブルビデオは商品リンクを設定したショート動画です。通常のおすすめフィードに表示され、視聴者は動画内に表示された商品リンクをタップするだけで商品の詳細を確認し、そのまま購入手続きまで完了可能。
ユーザーがエンタメとして動画を視聴し、「これ欲しい！」と感じたタイミングを逃さずに購買までつなげられる点がポイントです。
- 既存のショート動画投稿に、商品タグを付けるだけで導線強化ができる
- 「どの動画から何個売れたか」など、投稿単位で売上貢献を見やすくなる
- 世界観訴求系の動画でも、さりげなく商品導線を置ける
ライブ配信
ライブ配信画面に、リアルタイムで「購入ボタン」や「商品リスト」を表示できる機能です。視聴者はコメントで質問しながら、その場で商品をカートに入れ、配信を見ながら購入まで完了できます。
ライブ配信中には商品の紹介に加え、コメントで寄せられた質問にリアルタイムで回答できるため、店舗で接客しているかのような双方向のコミュニケーションをとれるのが強みです。
ライブ配信中に期間限定セールや数量限定商品の提供を行うことで、限定性・緊急性によって高い売り上げを上げる手法も一般的になっています。
- 新商品や季節施策の「集中プロモーション枠」として使える
- ライブ中の視聴者数・売上・CV数などを見ながら、施策の手応えを把握できる
- 「ライブ＋限定特典」で在庫消化や新商品の立ち上がりを早めやすい
ショーケース
ショーケースとは、企業やブランドのプロフィールページ上に商品一覧を表示できる機能です。TikTokアプリ内に自社のミニECサイトや商品カタログを持つイメージで、興味を持ったユーザーがプロフィールのショッピングバッグアイコンをタップすると、登録された商品の一覧ページにアクセスできます。
投稿動画や配信をきっかけに企業アカウントを訪れたユーザーをそのままスムーズに購買ページへ誘導でき、潜在顧客への効果的なアプローチが可能になります。
企業は世界観にあった商品を一覧表示することでブランディングを強化できます。「動画で世界観訴求 → プロフィール遷移 → ショップタブ」といった導線設計も可能です。
- TikTok内に、自社ECサイトのようなページ（長期的資産）を持てる
- プロフィール文やハイライト的なポジションから導線を作れる
- 世界観を訴求しやすく、ブランディング強化につながる
ショップタブ
ショップタブは、TikTokアプリ内上部メニューにあるマーケットプレイス機能です。ショップタブから直接商品を検索したり、カテゴリー別に商品を発見したりできます。
検索結果やおすすめ商品一覧、注文管理などもタブ内で完結するため、アプリ内で完結するショッピングモールのような体験が可能です。
企業はショート動画などTikTok内にコンテンツを蓄積していくことで、ジャンル・商品名で検索したユーザーに自社商品を訴求できます。
- 検索だけでなく、カテゴリ別のおすすめ表示も可能
- 上位表示はコンテンツの量産がカギ
アフィリエイトプログラム
アフィリエイトプログラムとは、TikTok上で活動するクリエイターと販売者をマッチングし、クリエイターが商品の紹介・宣伝を行うことで成果報酬を得られる仕組みです。販売者側は影響力のあるクリエイターに自社商品を紹介してもらうことで、従来リーチできなかった層にも商品を知ってもらうことができます。
TikTokならではのUGC的な拡散力と相まって、商品の信頼性向上や認知拡大につながるマーケティング手法として注目されています。
企業（セラー）側の基本的な流れは以下の通りです。
- どの商品をアフィリエイト対象にするか決める
- TikTok Shopセラーセンター内で、アフィリエイト設定を行う
- クリエイターに向けて「ブランドの方針」を整える
- 効果測定
TikTok Shop 導入のメリット
企業が TikTok Shop に参入することで得られるメリットとして、以下のようなものがあります。
新たな潜在顧客層にリーチできる
TikTokの「おすすめ」フィードに商品動画が流れることで、ユーザーが思いがけず商品と出会う機会を創出できます。従来リーチできなかった若年層やライトユーザーにもアプローチ可能で、自社ECサイトや既存モールでは取り込めない潜在顧客層の獲得につながります。
実際に「TikTokを見ていたら偶然気になる商品に出会い、そのまま購入した」というケースが増えており、新規顧客開拓のチャネルとして有効です。
コンバージョン率が上がりやすい
TikTok Shopでは商品に興味を持ってから数タップですぐ購入手続きまで完了するため、ユーザーの購買意欲が高まった瞬間を逃さず売上につなげられます。
通常のSNS広告だと一度ウェブサイトに遷移させる必要があり、その間に離脱されるリスクがありました。TikTokアプリ内で完結することで「欲しい」と思った勢いをそのまま購買行動に転換でき、結果として高い購入率が期待できます。
効果測定とPDCAを回しやすい
TikTok Shop上で発生した売上はTikTok Shopセラーセンターで詳細なデータとして把握できます。広告経由・オーガニック経由など流入元ごとのコンバージョンを追跡しやすく、SNS上のどのコンテンツが売上に貢献したか明確に分析可能です。
TikTok Shop導入によって広告のROIを正しく測定し、成果につながる動画に注力する運用改善例も多く、TikTok上のマーケ施策が売上に与える影響を見える化できる点も、大きなメリットです。
海外のTikTok Shop成功事例
日本より先行してサービスが普及している米国や英国では、TikTok Shop 特有の販売手法が確立されています。
MySmile（オーラルケア用品）
出典：MySmile_US
アメリカのオーラルケア・ホワイトニングブランド「MySmile」は、TikTok Shop導入によって短期間で劇的な成功を収めた事例です。Shopifyによる自社ECに加えTikTok Shopを開始し、TikTokクリエイターによる実演動画やアフィリエイト投稿を積極的に活用しました。商品使用シーンをわかりやすく伝える動画をTikTok Shop広告として配信し、ユーザーの信頼感と購入意欲を高めることにも成功しています。
その結果、TikTok Shop立ち上げからわずか3ヶ月でGMV（流通総額）100万ドル（約1.5億円）以上を達成し、広告のROAS（費用対効果）も3倍に向上、CPA（顧客獲得単価）を80%削減するといった目覚ましい成果を生み出しました。TikTok Shopがもたらす爆発力を示す好例といえます。
出典：TikTok For Business｜Case studies Success stories MySmile
Love & Pebble（スキンケアコスメ）
米国発のヴィーガンコスメブランド「Love & Pebble」もTikTok Shopで飛躍を遂げた企業の一つです。
通常投稿で反響の大きかった動画をそのままTikTok Shop広告に活用したり、アフィリエイトプログラムでクリエイターに商品紹介を依頼したりと、有料広告・オーガニック投稿・アフィリエイトを組み合わせて効率的に売上拡大を図りました。
その結果、TikTok Shop経由の広告ROASが3.2倍に改善し、売上も1194%増加という飛躍的な伸びを達成しています。在庫が2度完売するほどの人気ぶりとなり、小規模ブランドがTikTok Shop活用で成功した好例です。
出典：TikTok For Business｜Case studies Success stories Love & Pebble
日本のTikTok Shop成功事例7選
2025年12月現在、日本ではサービス開始から半年が経過し、既にTikTok Shopを活用した販売施策で成果を出し始めている企業があります。ここでは国内における注目の成功事例を紹介します。
MilleFée（コスメ）
2025年6月30日の日本版TikTok Shopローンチ初日から参入したライフスタイルカンパニー株式会社は、自社コスメブランド「MilleFée（ミルフィー）」の商品販売で高い成果を上げました。
ポイントはリラックマデザインのパフという話題性のあるアイテムを揃え、クリエイターとのコラボや世界観に最適化したショッピング動画を次々投稿してユーザーの興味喚起を図ったこと。
その結果、MilleFéeの「リラックマコラボパフ」はローンチ初月に美容・パーソナルケアカテゴリで「最高売上動画」1位を獲得し、TikTok Shop内の過去30日間ランキング（7月末時点）で最も売れた動画に。キャラクターコラボを活かした動画が再生数・売上とも好成績を収めた好例として注目されています。
出典：ライフスタイルカンパニー株式会社｜ライフスタイルカンパニー株式会社、TikTok Shopローンチから初月で美容・パーソナルケアカテゴリで最高売上動画の1位※を獲得！
燕チャンネル（食品）
出典：🌹燕チャンネル🌹
ファッションEC事業などを手掛けるSホールディングスは、アパレルブランド「ABITOKYO」を母体にユニークなライブコマース企画を実施しました。2025年7月末、「地方再生プロジェクト」の一環として同社のライブコマース配信チャンネル「燕チャンネル」で宮城県から長時間ライブ配信を行い、地元企業6社（食品メーカーやお茶、洋菓子店など）の特産品をTikTok Shopで販売。
このライブ配信では、現地ならではの臨場感ある映像演出と視聴者とのリアルタイムQ&Aで商品への不安を解消し、わずか2日間で計2461セット（延べ15,239点）を即完売、売上1,800万円超を達成しました。さらに続けて8月上旬には韓国から計12時間のライブを配信し、韓国で人気のコスメブランド商品を販売したところ、合計5,500万円を売り上げる大成功を収めています。
ライブならではの熱量と限定オファー、そしてTikTok Shopの高速決済機能の組み合わせで「秒で売れる」体験を実現した好例といえます。
出典：株式会社Sホールディングス｜TikTokライブで地元商品が即完！「地方再生プロジェクト」第2弾in宮城、売上1,800万円突破
ぞうねこちゃんねる（ファッション・美容）
国内外のアパレル・コスメ・雑貨・食品など、幅広いジャンルの商品を販売しているライブコマースチャンネル人気チャンネル「ぞうねこちゃんねる」は、2025年11月25日〜29日のブラックフライデー期間にかけて90時間連続ライブ配信を実施。
期間中のGMV（流通取引総額）が1億733万6,153円に達し、総販売個数39,430点、総視聴者数97万858人を記録しました。最大同時接続人数は2,908人にも上り、TikTok LIVE公式ランキングの「人気LIVE」部門で11月28日時点の第1位を獲得しています。
この例では、まるで24時間営業の実店舗のように配信を続けたことで、視聴者を逃さない工夫がみられます。ブラックフライデーという1年の中で特に購買意欲が高まる時期と連動させ、限定セール感を演出したこともポイントでした。
出典：株式会社Cellest｜国内最大級ライブコマースチャンネル「ぞうねこちゃんねる」、ブラックフライデー期間のTikTok Shop売上がGMV1億円突破
KYOGOKU JAPAN（アパレル）
美容業界で著名な美容師インフルエンサー京極 琉（Ryu Kyogoku）氏のブランドKYOGOKU JAPANは美容カテゴリーでの大きな成功事例です。
過去にはわずか1週間で総売上約1億円を達成し、そのうちたった1回のライブ配信で5,700万円もの売上を記録しています。日本のライブコマース史上でも異例の数字であり、「ライブ王者」と称される所以となりました。
KYOGOKU JAPANでは、漠然と配信を行うのではなく視聴者との双方向性のあるコミュニケーションを実施。開始直後から質問に応じることで、離脱させない設計を行っています。
出典：山下智博／売れTik編集長｜TikTokコマース、一週間で1億円売るショップの“裏側” ― 京極琉の成功に見るTikTokコマースの進化 ―
WEGO（アパレル）
アパレルブランドの WEGO（ウィゴー）もTikTok Shopをうまく活用している企業の例です。
店舗スタッフによるライブコマースを展開しており、視聴者からの「身長155cmでの着用感が見たい」といったコメントに対し、スタッフがその場で商品を着用して見せるなど、リアルタイムな対応を行っています。EC 購入における「サイズや質感への不安」をライブ配信で解消することで、購入率の向上につなげています。
またWEGOは広告の打ち方を工夫し、広告効果を最大化させたことで大きな成功を収めています。複数のクリエイティブを検証しながらターゲットに刺さる動画を最適化していく「ダイナミック広告」をうまく活用したことで、直帰率が10％低下し、ページセッション数が1.5倍増加。商品購入コンバージョン率も2.1倍まで上昇しました。
出典：TikTok for Business｜成功事例 WEGO
ヤーマン（美容家電）
美顔器など美容家電を手掛けるヤーマンは、高単価ゆえ購入ハードルが高い商品でも、ショート動画やライブ配信を通じて製品の使い方・効果を丁寧に伝える戦略で成果を出しています。
ライブ配信では40代を中心に視聴者を集め、視聴者の「使い方が分からない」という不安を解消しつつ信頼感を醸成。ライブ中には視聴者からの「ここは痛くないですか？」といった質問にもリアルタイムで回答しています。
高額になりがちな美容機器でも、「どう使うのか」「効果は？」という点を動画で丁寧に見せることでユーザーの不安を解消し、購買転換を高めているのがポイントでしょう。
I-ne（コスメ・美容）
出典：I-ne 広報【公式】
シャンプー「BOTANIST」や美容家電「SALONIA」で知られるI-ne（アイエヌイー）は、自社公式アカウントの発信だけでなく多数のインフルエンサーを巻き込んだ展開でTikTok Shopを活用しています。
TikTok Shopローンチと同時に社内に専任チーム「& Habit」を立ち上げ、「BOTANIST」「YOLU」「SALONIA」など複数ブランドの商品を出品。公式動画で商品の魅力を発信する一方、TikTok Shop Affiliateを通じて美容系クリエイターや一般ユーザーによる商品紹介動画（UGC）を促進しました。
特にSALONIAのストレートヒートブラシなどは、クリエイターが「朝5分で髪サラサラになった！」というビフォーアフター動画を投稿。そしてそれらの動画がバズって商品名で検索すると多数のおすすめ動画がヒットする状況を生み出しました。認知と信頼を一気に拡大し、販売拡大につなげた例といえるでしょう。
また、夜間美容シャンプー「YOLU」のブランド広告で「ヘアケア系の動画をよく見ている人」にピンポイントで絞った広告を配信。結果的に、CTRが約41％改善、6秒視聴率が1.9倍、完全視聴率が2.1倍に伸び、広告認知・ブランド認知も配信前後で約5ポイント上昇したという戦略的な事例も出しています。
出典：TikTok for Business｜完全視聴率が2倍以上、ブランド認知にも貢献！TikTokのインフィード広告で利用可能なターゲティング機能「ハッシュタグターゲティング」を活用【I-ne】
TikTok Shop 導入の流れ
実際に TikTok Shop を利用して商品を販売するためのステップは以下の通りです。大きく分けて3つの工程があります。
1. アカウントのセラー（販売者）登録
TikTok Shop へのアカウント登録は、公式の「TikTok Shop セラーセンター」から行います。登録方法には「電話番号またはメールアドレスでの登録」と「既存の TikTok アカウントでの登録」の2種類があります。
電話・メールで登録する場合
画面上部の入力欄に電話番号かメールアドレスを入力して「続行」をクリックします。入力先に認証コードが届くので画面にコードを入力し、アカウント用パスワードを設定すれば仮登録完了です。
TikTokアカウントで登録する場合
セラーセンターの「TikTokアカウントで登録」というリンクからログインを試みます。表示されたQRコードをスマホのTikTokアプリでスキャンし、案内に従って認証を進めることで連携登録が可能です。既存のTikTokアカウント情報を用いて手軽に登録できます。
2. ビジネス情報の設定
法人としての登記情報や、代表者の本人確認書類（パスポート、運転免許証など）をアップロードします。審査には通常数営業日かかりますが、以下のような情報を入力し、書類に不備がなければスムーズに完了します。
- 会社名（商号）や法人番号、代表者氏名など基本情報
- 登記簿謄本や法人番号指定書などの法人証明書類
- ショップ運営責任者の氏名・連絡先、および本人確認書類（運転免許証・パスポート・在留カードのいずれか）
3. ショップの設定と商品登録
審査通過後、晴れてTikTok Shopでの販売が可能になります。セラーセンターにログインし、ショップ基本情報（ショップ名・ロゴ・紹介文など）を設定しましょう。ショップ名はユーザーに表示される名称なので、自社ブランドが分かる名前を設定するとよいでしょう。
続いて商品登録を行います。セラーセンターの商品管理画面から、商品ごとにタイトル・価格・在庫数・商品説明・商品画像/動画などを登録します。商品にブランド要素（商標）が含まれる場合は、「ブランドオーソリゼーション」という正規販売証明の提出が求められるケースもあります。
TikTok Shopに関するよくある質問（FAQ）
最後に、TikTok Shopに関するよくある質問をQ&A形式で解説します。
Q. TikTok Shopとはなんですか？
A. TikTok Shopは、TikTokのプラットフォーム内で商品の発見から購入までをワンストップで完結できる新しいEC機能です。
ショート動画やライブ配信などに商品リンクを埋め込み、画面を遷移することなくそのまま商品を購入できるのが大きな特徴です。
Q. 出店に費用はかかりますか？
A. 出店費用や月額利用料はかかりません。販売時にのみ販売手数料（売上の7%）が発生します。
Q. 個人事業主でも出店できますか？
A. はい、可能です。マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類を提出すれば、個人でもセラー登録・販売ができます。
Q. TikTok Shopに向いている商品/向いていない商品はなんですか？
A. ショート動画やライブ配信で訴求しやすい商品が向いているといえます。特に美容・食品・アパレル・ガジェット・雑貨などの人気が高いです。
逆にいえば、気軽に手に取りにくい高額な商品や、動画で魅力を伝えにくい無形商材などは売れにくい傾向があります。
Q. 商品のジャンルに制限はありますか？
A. 一部、禁止・制限品目があります。たとえば医薬品、アルコール、高額宝飾品などは販売できない、または許可が必要となる場合があります。TikTok shop Academyの「禁止商品ポリシー」を確認することをおすすめします。
Q. ShopifyやECモールと連携できますか？
A. はい、ShopifyやBASEなど一部ECツールとAPI連携が可能です。在庫連携や注文一元管理などができます。
Q. 決済方法は何に対応していますか？
A. クレジットカード（VISA、Mastercardなど）、デビットカード、PayPay、コンビニ払いに対応しています。購入者はTikTokアプリ内で決済を完了できます。
まとめ
本記事では、TikTok Shop の市場動向や国内外の成功事例、導入の流れについて解説しました。
日本市場における TikTok Shop は、検証フェーズから拡大フェーズへと移行しており、大手企業だけでなく D2C ブランドにとっても重要な販売チャネルになりつつあります。2026年には500億円規模への成長が予測される中、早期に参入して知見を蓄積することが今後の競争優位性につながります。
株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、TikTok Shop開設・運用サポートをはじめ、SEO対策やWeb広告・SNS運用などWebマーケティング全般のサポートを提供しています。AI時代に対応したデジタル戦略をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。