近年、企業のSNSマーケティングにおいて、複数のプラットフォームを効率的に運用することがますます重要になっています。特に、InstagramとFacebookは同じMeta社が運営するプラットフォームとして、連携機能を活用することで大幅な運用効率の向上と集客効果の最大化を実現できます。

本記事では、InstagramとFacebookの連携方法から活用メリット、注意点まで、企業のSNS担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。これらの知識を活用することで、限られたリソースでも効果的なSNSマーケティングを展開できるようになります

株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、InstagramとFacebookの連携を含むSNSマーケティング全般のサポートを提供しております。連携設定から戦略策定、運用改善まで、専門的な知見でお客様のビジネス成長をサポートいたします。SNS運用に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

InstagramとFacebookの連携とは

InstagramとFacebookの連携は、同じMeta社が提供する2つのプラットフォーム間でアカウント情報や投稿を共有する機能です。この連携により、一つの投稿を両プラットフォームに同時配信したり、広告運用を統一的に管理したりすることが可能になります。

連携できる組み合わせは以下の通りです。

  • Instagramビジネスアカウント × Facebookページ
  • Instagramビジネスアカウント × Facebook個人アカウント
  • Instagram個人アカウント × Facebook個人アカウント

FacebookアカウントとFacebookページの違いは?

FacebookページとFacebookアカウントはよく混同してしまいがちですので、ここでまず両者の違いをおさえておきましょう。

Facebookアカウントは必ず個人に紐づいたものであるのに対し、Facebookページはお店などビジネスに紐づいたいわば「公式ページ」です。

企業のマーケティング活動においては、InstagramビジネスアカウントとFacebookページの連携が最も効果的です。この組み合わせにより、広告配信、ショッピング機能、インサイト分析など、ビジネスに特化した機能を最大限活用できます。

本記事では、InstagramビジネスアカウントとFacebookページの連携について、詳しく解説していきます。

InstagramとFacebook連携の6つのメリット

InstagramビジネスアカウントとFacebookページを連携する具体的なメリットを以下で解説します。

投稿の同時配信による作業効率化

InstagramとFacebookを連携する最大のメリットは、一つの投稿を両プラットフォームに同時配信できることです。従来、各プラットフォームで個別に投稿作業を行う必要がありましたが、連携により投稿にかかる時間を大幅に短縮できます。

特に複数のSNSアカウントを管理している企業にとって、この機能は大きな価値となります。投稿の配信フローを効率化することでより戦略的な業務に時間を割くことができるようになります。

また投稿し忘れや配信タイミングのズレを防ぐことにもつながるのもポイントの1つです。

リーチ拡大による認知度向上

連携により、InstagramユーザーとFacebookユーザーの両方にアプローチできるため、単一プラットフォームでの投稿と比較してリーチが拡大します。これは特に新規顧客の獲得や認知度向上を目指す企業にとって大きなメリットです。

InstagramとFacebookでは利用者層が異なるため、より幅広いターゲットにアプローチできるのもポイントです。Instagramは20代から30代の若年層が中心である一方、Facebookは30代以上のユーザーが多く利用しており、連携により異なる年齢層に対して効果的にブランドメッセージを届けることが可能になります。

さらに、両方のプラットフォームを利用しているユーザーに対しては、複数回の接触機会を創出できます。接触頻度の増加により、ブランド記憶の向上と購買意欲の促進を期待できます。

Instagram広告が出稿できる

連携によって利用できるツール「Meta Business Suite」を活用することで、Instagramアカウントと紐づいた広告を出稿できるようになります。

過去にInstagramアカウントで発信した人気の投稿を広告として転用したり、季節需要に合わせた投稿を新規で制作することで、効果的な広告キャンペーンを展開できます。

またInstagramとFacebookの広告を統合的に管理できるようになることで、広告予算の最適配分や効果測定の精度向上を実現できるのもポイントです。

Instagramショッピング機能が利用できる

ECサイトを運営している企業にとって、Instagramショッピング機能は売上直結の重要な機能。

Instagramショップで投稿に商品タグを設置することで、ユーザーが投稿からInstagramショップの商品ページにダイレクトにアクセスできるようになり、投稿を見てから購入まで最短ステップでの導線設計を実現できます。

購買意欲の高いタイミングでの確実な売上獲得を期待できるため、BtoCの場合は特に活用したいところです。

またInstagramとFacebookの連携により、この機能をMeta Business Suiteのコマースマネージャで統合管理できるようになります。

商品タグの設定、商品カタログの管理、注文データの分析など、EC運営に必要な機能を一元管理が可能です。

プラットフォーム間の統合管理

連携により、Meta Business Suiteを通じてInstagramとFacebookを統合的に管理できるようになります。

両プラットフォームのインサイトデータを横断的に比較分析することで、より精度の高いマーケティング戦略を策定できるようになります。同じコンテンツを両プラットフォームで配信しプラットフォーム特性による反応の違いを分析するA/Bテストの実施も可能です。

コミュニケーション管理の効率化

Meta Business Suiteにより、FacebookメッセンジャーとInstagram DMを一元管理できるようになります。顧客からの問い合わせやコメントへの対応を効率化し、顧客満足度の向上を実現できます。

複数のプラットフォームでの顧客対応業務を統合することで、対応漏れや重複対応を防げます。また、顧客の問い合わせ履歴を一括管理できるため、より質の高いカスタマーサポートを提供できます。

自動返信機能やチャットボット機能も活用できるため、24時間365日の顧客対応体制を構築することも可能です。

クロスプロモーション効果の最大化

InstagramとFacebookのフォロワーが相互にフォローしてくれるクロスプロモーション効果も大きなメリットです。一方のプラットフォームでフォロワーになったユーザーが、もう一方のプラットフォームでもフォローしてくれる可能性が高まります。

例えばFacebookページのフォロワーがInstagramを利用していた場合、そのユーザーの「おすすめアカウント」欄に自社Instagramアカウントが表示されます。

これにより自然な形でのフォロワー獲得を期待でき、広告費をかけずにオーガニックなフォロワー増加を実現できます。

InstagramとFacebook連携の設定方法

連携設定を行う前に、いくつかの事前準備が必要です。まず、Instagramアカウントをビジネスアカウント(プロアカウント)に切り替えておく必要があります。個人アカウントのままでは一部の連携機能が利用できないため、必ずビジネスアカウントへの変更を行ってください。

参考記事:【2025年最新】インスタグラムのプロアカウントとは?切り替え方法からメリット・デメリット、活用術まで徹底解説

次に、連携作業を行うFacebookアカウントが、対象のFacebookページの管理者権限を持っていることを確認してください。管理者権限がない場合は、現在の管理者に権限付与を依頼する必要があります。

現在の管理者は、以下の手順で簡単に権限付与を実行できます。

  1. Facebookページにアクセス
  2. 「設定」をクリック
  3. 「ページ設定」をクリック
  4. 「ページアクセス」をクリック
  5. 「Facebookへのアクセスを許可された人」から「追加」をクリック
  6. 作業者の名前かメールアドレスを入力して選択
  7. 「このユーザーに全権限を付与する」をONにして「アクセスを許可」をクリック

Facebookページから連携する方法

事前準備ができたら、実際に連携します。いくつか方法がありますが、Facebookページからの連携は、ウェブブラウザを使用して以下の手順で行います。

まず、Facebookページにログインし、サイドバーの「設定」をクリックします。

次に、「アクセス許可」セクションから「リンクするアカウント」を選択し、「Instagram」オプションをクリックします。

「アカウントをリンク」ボタンを押すと、Instagramのログイン画面が表示されます。連携したいInstagramビジネスアカウントの認証情報を入力してログインすると、連携が完了します。

この方法は、複数のInstagramアカウントを管理している場合や、デスクトップ環境での作業を好む場合に適しています。

Instagramアプリから連携する方法

スマートフォンのInstagramアプリから連携する場合は、以下の手順で行います。

プロフィール画面の右上にある三本線のメニューアイコンから「設定とアクティビティ」に移動し、「アカウントセンター」をタップします。

「プロフィール」から「アカウントを追加」を選択します。

「Facebookアカウントを追加」をタップすると、Facebookのログイン画面が表示されます。連携したいFacebookページの管理者権限を持つアカウントでログインすると、管理できるFacebookページ一覧が表示されます。

連携したいFacebookページを選択し、「リンクする」をタップすると連携が完了します。

※この手順はブラウザ版のInstagramでも同様に行えます。

連携後の効果的な活用方法

InstagramとFacebookを連携した後は、運用によって効果を最大化させていきましょう。ここからは、連携後の効果的なプラットフォーム活用方法をお伝えします。

投稿の同時配信設定

連携完了後は、投稿の同時配信設定を行います。すべての投稿を自動的に両プラットフォームに配信したい場合は、Instagramの設定から「リンク済みアカウント」→「Facebook」を選択し、「Facebookで投稿をシェア」をオンにします。

ストーリーズも同時配信したい場合は、「Facebookでストーリーズをシェア」もオンにしてください。これにより、日常的な投稿作業が大幅に効率化されます。

一方、投稿ごとに配信先を選択したい場合は、投稿作成時に配信先を個別に設定できます。コンテンツの内容や戦略に応じて、柔軟な配信設定を行いましょう。

プラットフォーム特性を活かしたコンテンツ戦略

連携機能を活用しながらも、各プラットフォームの特性を理解したコンテンツ戦略が重要です。Instagramでは視覚的に魅力的な画像や動画コンテンツが効果的である一方、Facebookでは詳細な情報やコミュニティ形成を重視したコンテンツが好まれます。

同じトピックでも、Instagramでは美しい商品写真を中心とした投稿を行い、Facebookでは商品の詳細情報や使用方法、お客様の声などを含めた総合的な投稿を行うといった使い分けが効果的です。

広告キャンペーンの統合運用

Meta Business Suiteを活用して、Instagram広告とFacebook広告を統合的に運用することで、広告効果の最大化を図れます。同じクリエイティブを両プラットフォームで配信し、パフォーマンスデータを比較分析することで、最適な配信戦略を構築できます。

オーディエンス設定においても、両プラットフォームのデータを活用したより精密なターゲティングが可能になります。Instagramでエンゲージメントの高いユーザーをFacebook広告のカスタムオーディエンスとして活用するなど、クロスプラットフォームでの戦略的な広告運用を実現できます。

連携時の注意点とデメリット

InstagramとFacebookを連携することによる直接的なデメリットはありませんが、以下の点については注意しておく必要があります。

プラットフォーム固有の特性を考慮した運用

連携機能は非常に便利ですが、すべての投稿を機械的に同時配信することは避けるべきです。InstagramとFacebookでは利用者層、利用シーン、コンテンツに対する反応が大きく異なるためです。

Instagramは若年層が中心で、ファッション、グルメ、ライフスタイルなどの視覚的なコンテンツが好まれます。一方、Facebookは30代以上のユーザーが多く、実用的な情報や詳細な説明を含むコンテンツが効果的です。

同時配信を行う場合でも、各プラットフォームの特性に合わせて投稿文の調整やハッシュタグの最適化を行うことが重要です。

投稿ミスのリスク拡大

連携により投稿の効率化を図れる一方で、投稿ミスが発生した場合の影響範囲が拡大するリスクもあります。誤った情報や不適切なコンテンツを投稿してしまった場合、両プラットフォーム上で同時に拡散される可能性があります。

特に、企業の公式アカウントでは、投稿内容がブランドイメージに与える影響が大きいため、慎重な運用が求められます。

リスク軽減のために、投稿前には必ず配信先の設定を確認し、意図したアカウントやページに投稿されることを確認してください。

投稿前の確認体制を強化することも重要です。複数人でのチェック体制を構築し、投稿内容の精査を徹底することで、ブランドイメージの毀損を防げます。

連携解除の方法

InstagramとFacebookページの連携を解除したい場合は、以下の手順で行います。Instagramアプリのプロフィール画面から「設定とアクティビティ」→「アカウントセンター」を選択し、連携中のアカウント一覧から対象のFacebookアカウントを選択します。

「削除」または「アカウントのリンクを解除」を選択すると、連携が解除されます。解除後は投稿の同時配信や統合管理機能が利用できなくなるため、解除前に運用方針の見直しを行うことをおすすめします。

部分的な連携解除も可能です。投稿の同時配信機能のみを無効にしたい場合は、「Facebookで投稿をシェア」の設定をオフにするだけで対応できます。必要に応じて、機能単位での設定変更を活用してください。

【業界別】InstagramとFacebook連携の活用事例

次に、InstagramとFacebookを連携することでビジネスにおいてより効果を発揮できる活用事例をいくつかご紹介します。

小売業での活用事例

小売業では、商品の魅力を視覚的に伝えるInstagramと、詳細な商品情報を提供するFacebookの特性を活かした連携活用が効果的です。新商品の発売時には、Instagramで魅力的な商品写真を投稿し、Facebookでは商品の特徴や価格、購入方法などの詳細情報を提供します。

連携によって使えるInstagramショッピング機能を活用することで、投稿から直接ECサイトへの誘導を実現し、購買までの導線を最短化できます。また、ユーザーが投稿した商品の使用写真をリポストすることで、UGC(User Generated Content)を活用したマーケティングも展開できます。

季節商品やセール情報の発信においても、両プラットフォームで同時に情報を発信する連携機能により効率的な情報配信を実現できます。

飲食業での活用事例

飲食業では、料理の視覚的な魅力をInstagramで訴求し、店舗情報やイベント情報をFacebookで詳しく紹介する使い分けが効果的です。新メニューの紹介では、Instagramで美味しそうな料理写真を投稿し、Facebookでは食材のこだわりや調理方法、栄養情報などを詳しく説明します。

店舗の雰囲気や スタッフの人柄を伝えるコンテンツも効果的です。Instagramストーリーズで日常の厨房風景を投稿し、Facebookでは店舗の歴史やスタッフの想いを丁寧に紹介することで、顧客との親密な関係性を構築できます。

イベントや特別メニューの告知においても、連携機能により広いリーチを確保できます。予約システムとの連携により、投稿から直接予約までの導線を構築することも可能です。

サービス業での活用事例

サービス業では、実際のサービス提供風景をInstagramで視覚的に紹介し、サービスの詳細や料金体系をFacebookで詳しく説明する手法が効果的です。美容院であれば、ビフォーアフターの写真をInstagramで投稿し、Facebookではスタイリストの技術や使用している商材について詳しく紹介するという使い分けができます。

お客様の声やレビューをコンテンツとして活用することも重要です。Instagramでは満足いただいたお客様の写真(許可を得た上で)を投稿し、Facebookでは詳細な体験談やレビューを紹介することで、サービスの信頼性と品質の高さをアピールできます。

よくある質問(FAQ)

Q:連携設定後、すべての投稿が自動的に両方のプラットフォームに投稿されますか?

いいえ、連携設定だけでは自動投稿は行われません。投稿の同時配信を行うには、別途「Facebookで投稿をシェア」の設定をオンにする必要があります。また、投稿ごとに配信先を選択することも可能です。

Q:個人のInstagramアカウントでもFacebookページと連携できますか?

はい、可能です。ただし、ビジネスアカウントと比較して利用できる機能が制限されます。企業のマーケティング活動であれば、ビジネスアカウントへの切り替えをおすすめします。

Q:連携を解除すると、過去に投稿したコンテンツはどうなりますか?

連携解除後も、過去に投稿されたコンテンツは両プラットフォームに残り続けます。解除により影響を受けるのは、今後の投稿における同時配信機能や統合管理機能のみです。

Q:Instagramストーリーズも自動的にFacebookに投稿できますか?

はい、可能です。「Facebookでストーリーズをシェア」の設定をオンにすることで、Instagramストーリーズを自動的にFacebookストーリーズとしても投稿できます。

Q:複数のFacebookページを管理している場合、どのページと連携されますか?

連携設定時に、管理者権限を持つFacebookページの一覧が表示され、その中から連携したいページを選択できます。一つのInstagramアカウントは、一つのFacebookページとのみ連携可能です。

Q:広告アカウントも自動的に連携されますか?

Facebookページとの連携により、Meta Business Suiteから広告を配信できるようになりますが、既存の広告アカウントとは別途連携設定が必要な場合があります。広告管理画面で連携状況を確認してください。

Q:連携により追加料金は発生しますか?

基本的な連携機能の利用に追加料金は発生しません。ただし、広告配信やプレミアム機能を利用する場合は、それぞれのサービス料金が発生します。

Q:投稿内容を途中で修正した場合、両方のプラットフォームに反映されますか?

投稿後の編集は、編集を行ったプラットフォームのみに反映されます。両方のプラットフォームで修正が必要な場合は、それぞれで編集作業を行う必要があります。

まとめ

InstagramとFacebookの連携は、現代のデジタルマーケティングにおいて企業が競争力を維持するために不可欠な戦略です。効率的な投稿管理、リーチの拡大、統合的な分析など、多くのメリットを提供する一方で、各プラットフォームの特性を理解した運用が成功の鍵となります。

連携機能を最大限活用するためには、明確な戦略策定と継続的な効果測定が重要です。本記事で紹介した設定方法、活用事例、注意点を参考に、自社のビジネス目標に最適化された連携運用を実現してください。

適切な連携運用により、限られたリソースでも両プラットフォームの力を最大限に引き出し、効果的なSNSマーケティングを展開できるようになります。まずは基本的な連携設定から始めて、段階的に機能を拡張していくことをおすすめします。

株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、InstagramとFacebookの連携を含むSNSマーケティング全般のサポートを提供しております。連携設定から戦略策定、運用改善まで、専門的な知見でお客様のビジネス成長をサポートいたします。SNS運用に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ