TikTokは近年急速にユーザーが増加している、短尺動画に特化したSNSです。10~20代を中心に利用されており「若者向けのSNS」というイメージが根強いですが、ここ数年は30代以上の利用者も増え、幅広い世代に拡大しています。

拡散性が高く、集客や認知拡大の手段として活用する企業も増えているTikTok。より迅速に効果を最大化する方法として挙げられるのが、TikTok広告を配信することです。そこで、今回はTikTok広告の種類や運用する手順を解説していきます。

TikTokの特徴

TikTokは2016年にリリースされた比較的新しいSNSです。若年層を中心に近年急速に利用者数が増えており、今最も勢いのあるSNSと言っても過言ではありません

そんなTikTokの最大の特徴として、拡散性の高さが挙げられます。これは、アカウントの規模に関係なく、投稿した動画の再生数が必ず一定量確保される仕組みが導入されているためです。

フォロワーの少ないアカウントでも、良質な動画を投稿して好意的な反応を集められれば、一気に多くのユーザーに拡散されるチャンスを得ることができます。

実際、認知度が不十分だった企業が、TikTokに投稿した動画をきっかけに商品やサービスの認知度を一気に拡大させる”TikTok売れ”と呼ばれる事例も多数見られます。

InstagramやXといった他のSNSに比べて参入する企業が少ない今、TikTokをマーケティングの手段として活用する絶好のタイミングだと言えるでしょう。

TikTok広告のメリット

一気に認知度を高められる可能性を秘めたTikTokですが、広告を配信するとより迅速で確実な効果が期待できます。TikTok広告のメリットとして、主に以下の3点が挙げられます。

  • 若年層へのリーチが期待できる
  • 拡散性が高い
  • 幅広い広告フォーマットがある

幅広いフォーマットから予算や期待する効果、希望する発信方法などに合わせて最適な発信方法を選択できるのは、企業にとって嬉しいポイントだと言えるでしょう。

TikTok広告の種類

TikTok広告は、事前に購入した広告枠に一定の期間固定で掲載できる予約型、オークション形式で配信費用が決定する運用型の2つに大別することが可能です。それぞれの種類について詳しくご紹介します。

予約型広告

予約型広告には、以下4種類があります。

  • 起動画面広告
  • インフィード広告
  • ハッシュタグチャレンジ広告
  • ブランドエフェクト

起動画面広告

引用:https://wonders-marketing.com/archives/tiktok-startupscreen-ad/

その名の通り、アプリの起動画面に表示される広告です。TikTokを利用するユーザー全員の画面全体に表示され、非常に高い訴求力が見込める点が最大の魅力だと言えます。

画像やGIF画像、GIFアニメーションなどを配信でき、広告内にはリンクを設置することが可能。自社のホームページや商品の詳細ページに誘導するなど効果的に活用できます。

広告枠は1日1社に限定されており、その日にTikTokを利用するユーザー全員の時間を独占できるということもあって、広告費はどうしても高額になります。広告の表示回数に応じて課金されるため多少の変動はあるものの、約500万円の広告費が必要です。

インフィード広告

引用:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00499/00001/

インフィード広告では、「おすすめ」タブに5〜15秒程度の動画を表示させられます。通常の投稿と同様、ユーザーはいいねやシェア、コメントなどで反応することが可能です。他の投稿に紛れる形で配信され、広告っぽさが少ないのが大きな特徴だと言えます。

ユーザーに嫌悪感を与えにくい一方、瞬間的に目に留まるインパクトを与えられなければ、簡単に次の動画にスワイプされてしまうのが難点。クリエイティブの質が成果に大きく影響する配信フォーマットの1つです。

種類 日予算の目安 詳細
Brand Premium 42万円~ おすすめタブの80番目以内に表示される
One Day Max 300万円~ おすすめタブの4番目に表示される
Top View 625万円~ おすすめタブの最初に表示される

インフィード広告には上記3つの種類がありますが、Brand Premiumは予約型広告の中では最も低額で配信することができます。

ハッシュタグチャレンジ広告

引用:https://www.advertimes.com/20190603/article291999/2/

特定のハッシュタグをつけた動画をユーザーに投稿してもらい、商品やサービスをアピールするハッシュタグチャレンジ広告。企業が配信する広告そのものだけでなく、ユーザーが投稿するコンテンツにより二次拡散を狙える点が大きなメリットです。

ハッシュタグチャレンジ広告は、以下の4種類に分けられます。

種類 日予算 おすすめタブ
の表示
バナーの表示
ベーシック
ハッシュタグチャレンジ
1,000万円~ 2日間
スタンダード
ハッシュタグチャレンジ
1,500万円~ 6日間 6日間
(1日間は1番目に表示)
ハッシュタグチャレンジプラス 1,700万円~ 5日間 5日間
(2日間は1番目に表示)
バトルハッシュタグチャレンジ 2,000万円~ 3日間 3日間

予約型広告の中で最も高額な費用が発生するため、まとまった予算を確保できる企業向けだと言えます。なお、バトルハッシュタグチャレンジでは2つのタグを戦わせ、競争的な要素を取り入れることでユーザーの参加意欲を高められます。

ハッシュタグチャレンジのパフォーマンスを左右するのは、トレンドを生み出す企画力です。キャッチーで記憶に残りやすいハッシュタグやユーザーが参加したくなる仕組みを考案することが必須となります。

ブランドエフェクト

ブランドエフェクトも、ユーザー参加型の広告です。カメラアプリの加工機能のように、企業オリジナルのエフェクトをユーザーの画面に反映させることができます。料金プランは以下の通りで、他の予約型広告と同様、決して安くはない予算を確保しなければなりません。

  日予算
Standard 597万円~
Advanced 962万円~

商品やサービスの世界観を体験することで、楽しみながら親しみを持ってもらえるのがブランドエフェクトの大きな強みの1つ。商品の魅力をシュミレーション体験してもらったり、ブランドの世界観に没入する体験を演出したりと幅広い活用が可能です。

運用型広告(ブランドオークション広告)

運用型広告はターゲットや予算などを設定し、運用しながら最適化していく広告です。TikTokでは「ブランドオークション広告」と呼ばれ、インフィード広告と同様おすすめタブに表示されます。

運用型広告のメリットとして挙げられるのは、主に以下の2点です。

  • 予約型広告に比べ少額(1日5,000円~)で配信できる
  • 成果を分析しながら都度内容を変更できる

まとまった予算の確保が難しい、まずは試しに配信してみたいといったケースに適しているフォーマットだと言えるでしょう。

ただし、費用対効果を最大化させようと思うと専門的な知識が欠かせません。自身で運用していくのが難しい場合は、広告運用のプロへの依頼を検討するのも一案です。

株式会社フリースタイルエンターテイメントは、TikTok広告をはじめとした各種Web広告の運用代行を承っております。最適な広告媒体や予算の提案から、日々の運用業務、改善施策の提案など、広告運用にまつわる業務をワンストップで提供します。

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TikTok広告の種類はどう選ぶ?

ここまで紹介してきた5種類の中から配信するフォーマットを選ぶ際には、以下2つのポイントから判断することをおすすめします。

  • 広告を出稿する目的
  • 配信に費やせる予算

TikTokに限らず、広告を出稿する際には目的をはっきりさせて最適なフォーマットを選ぶことが重要となります。認知度の拡大を狙うのであればハッシュタグチャレンジや起動画面広告を、購入や問い合わせを促す場合は運用型広告が適しているケースが多いです。

また、お伝えしているように、TikTok広告の配信に必要な費用はフォーマットによって大きく変わってきます。

大きな出費をいとわず高い効果を狙う場合は起動画面広告やブランドエフェクトを、まとまった費用の確保が難しい方は、運用型広告やインフィード広告を選ぶのが良いでしょう。

TikTok広告の課金方式

TikTok広告の課金方式は以下の通りです。

  メリット デメリット
インプレッション課金型 ・露出が増えやすい

・コンバージョン率が低くなる
・効果測定が難しい

再生課金型 ・インプレッション課金型よりも費用対効果が高くなりやすい ・効果測定が難しい
クリック課金型 ・無駄な費用が発生しづらい ・想定外のユーザーによるクリックが発生することもある
期間契約型 ・露出が増えやすい ・他の課金方式に比べて費用が高額である

再生課金型では動画が一定時間以上再生された際に課金され、スキップされると費用は発生しません。期間契約型は、一定期間の露出を保証する課金方式を指します。

上の表にある通り、それぞれ異なるメリット、デメリットが存在します。配信フォーマットと同様、広告を配信する目的に応じて適切なものを選ぶのが望ましいです。

TikTok広告のターゲティング

TikTok広告のターゲティングは大きく以下のように分類できます。

ターゲティング 詳細
デモグラフィック 性別・年齢・地域・言語
ユーザーリスト カスタムオーディエンス 自社のサイトや広告を訪問したことがあるユーザーのリストに対して広告を配信する
類似オーディエンス カスタムオーディエンスのリストに加え、類似したユーザーにも広告を配信する
興味・行動 興味関心・行動(動画インタラクション・クリエイターインタラクション・ハッシュタグインタラクション)
デバイス OS・デバイスモデル・通信環境・キャリア・デバイス価格

「興味・行動」の行動ターゲティングでは、過去に視聴した動画やフォローしたクリエイター、視聴した動画についていたハッシュタグなどに応じてユーザーを絞り込みます。

TikTok広告配信を成功させるためには、目的に合わせた戦略設計が大きなカギとなります。費やした費用に見合った効果を得られるよう、配信フォーマットや課金方式、ターゲティングは闇雲に設定するのではなく、事前に調査や検討を重ねることが大切です。

TikTok広告の費用対効果を高めるポイント

ここからは、TikTok広告の費用対効果を高めるポイントを解説していきます。

  • 広告感をなくす
  • 冒頭でユーザーを引きつけて15秒を目安にまとめる

広告感をなくす

「別の動画の視聴を邪魔された」「同じ内容の広告が何度も出てくる」といった理由から、TikTokアプリ内で表示される広告に対して嫌悪感を持つユーザーは少なくありません。

ユーザーに自然な流れで視聴してもらうため、洗練されたデザインやインパクトのある演出を取り入れ、PRを目的としたコンテンツとしての主張を抑えられると良いです

TikTok広告には、おすすめタブに自然に表示されるインフィード広告やユーザー体験を伴うハッシュタグチャレンジなど、広告感を薄めるのに適したフォーマットが揃っています。

もちろん予算のすり合わせは必要となりますが、そうしたフォーマットを利用するのも有効です。

冒頭でユーザーを引きつけて15秒を目安にまとめる

短尺動画に特化したTikTokを利用するユーザーの大半は、再生されてから最初の1〜3秒で動画の視聴を続けるかどうかを判断すると言われています。そのため、出稿する動画を最後まで見てもらうためには、冒頭でいかにインパクトを与えられるかどうかが重要です

TikTok広告の動画の長さは5〜60秒の間で設定できます(インフィード広告の場合)。ただ、短尺の動画に慣れているユーザーに飽きられることなく最後まで見てもらおうと思うと、全体をコンパクトにまとめることを意識する方が良いでしょう。

インフィード広告では21〜34秒の動画が推奨されていますが、視聴維持率が上がりやすくなるよう、配信フォーマットに限らず15秒を目安に尺を調整することをおすすめします。

参考:TikTok動画作成における 7つのTips|TikTok For Business

TikTok広告を出稿する際の注意点

TikTokを出稿する際には、以下の3点に注意しなければなりません。

  • 申し込み後にキャンセル・修正できない
  • トレンドの移り変わりが早い
  • 出稿できない業種がある

申し込み後にキャンセル・修正できない

TikTok広告は一度出稿の申し込みを行うと、原則キャンセルすることができません。配信前に何らかのトラブルにより出稿を停止しなければならない事態が発生しても、当初の広告費を全額支払う必要があります

加えて、申し込み後にスケジュールやクリエイティブなどにミスや不具合が発覚しても広告の内容を修正することは不可能です。誤字や脱字、URLの間違い、動画内での機密情報の映り込みといったポイントは入念に確認するべきでしょう。

トレンドの移り変わりが早い

拡散性が早いTikTokでは、InstagramやX、YouTubeといった他のSNSに比べ、トレンドの勢いが大きく、また移り変わりがかなり早いです。

常に最新の動向をチェックして流行を押さえた動画を配信することで、ユーザーの興味を引きつけやすくなります。長いスパンで広告を出稿する場合は、トレンドの変化を把握して都度クリエイティブを変更するといった工夫も求められるでしょう。

出稿できない業種がある

未成年を含む若年層のユーザーが多く利用するSNSということもあり、TikTok広告では、一部の商品や業種に関する広告は出稿できない旨が定められています。主に以下のような業種が該当しています。

  • ギャンブル・ゲーム
  • アルコール・タバコ
  • サプリメント
  • クレジットカード
  • 動物の販売
  • ヘルスケア・医薬品
  • 政治・文化・宗教

出稿する広告が上記に該当していないか、事前に確認しておきましょう。

TikTok広告で費用対効果を最大化させよう

TikTok広告の配信を成功させるためには、目的や予算、ユーザーに伝えたい内容や取り上げる商材などに合わせて最適な種類のフォーマットを選択することが欠かせません。

今回ご紹介したポイントを参考に、どの配信フォーマットを利用すれば良いのか、ターゲティングや課金方式はどのように選択するのかなどについて検討を重ねてみてください。

株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、TikTokの運用から広告配信(配信戦略の策定、クリエイティブや投稿文の作成など)まで幅広いご支援が可能です。お悩みやご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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※この記事は2025年3月時点の情報をもとに作成しています。