近年注目されているSNSを活用した採用手法「SNS採用/ソーシャルリクルーティング」。採用コストを抑えつつ、求職者と直接つながりたい企業にとって有力な手段となっています。

本記事では、SNS採用のメリット・デメリット、主要SNSの特徴、企業がSNS採用で成功するためのポイントを成功事例とともに解説します。SNSを活用して、自社に合った優秀な人材を獲得するためのヒントを見つけましょう。

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは?概念と注目される背景

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは?

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは、Instagram、X(旧Twitter)、TikTok、Facebook、LINEなどのSNSを活用して求職者と接点を持ち、人材を採用する手法です。

従来の求人サイトや転職エージェントとは異なり企業が自ら情報を発信し、求職者との直接的なやり取りを通じて採用につなげる点が特徴です。

特に中小企業にとって、SNS採用は「コストを抑えながら自社の魅力を発信できる」ため、大手企業と差別化しながら人材確保を進める手段として注目されています。

SNS採用が注目されている背景

近年、SNS採用が注目されている背景には、以下のような要因があります。

求職者の行動変化

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000043745.html

インターネットの普及によってSNSの利用者数は急増しており、2025年3月時点で日本のSNS普及率は全年代で8割にものぼります。この数字は今後も伸びる見込みがあり、SNSを利用した採用活動を行うことで効率的に求職者にアピールすることができます。

特にZ世代(1990年代後半〜2010年代前半生まれ)は企業の求人情報をSNSで探す傾向が強く、従来の求人サイトではなくSNSの公式アカウントや社員の投稿から企業の雰囲気をチェックすることが一般的になっています。

採用コストの削減

求人広告や人材紹介サービスを利用すると、採用1人あたり数十万円のコストがかかります。一方、SNS採用は基本的に無料で運用できるため、中小企業でも低コストで実施可能です。

企業ブランディングの重要性の高まり

今日では、採用活動において企業のブランド力が求職者の応募意欲に大きく影響を与えます。SNSを通じて日常的に情報発信を行うことは、企業の認知度向上や「この会社で働きたい」という気持ちを育むために重要となります。

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SNS採用のメリットとデメリット

ここからは、SNS採用のメリットとデメリットを双方お伝えしていきます。長所と注意点を押さえて、導入を検討してみてください。

SNS採用のメリット

SNS採用には以下のようなメリットがあります。

採用コスト減につながる

SNSアカウントは無料で開設でき、広告費をかけずに企業の魅力を発信できます。中小企業にとっては、大手企業のように多額の採用予算を確保できなくても 工夫次第で優秀な人材と出会えるのが大きなメリットです。

求職者との距離が近い

SNSを活用することで、応募前の求職者と気軽にコミュニケーションが取れます。コメントやDM(ダイレクトメッセージ)を通じて質問に答えたり、社員の働く様子を発信することで、応募前に会社の雰囲気を伝えることが可能 になります。

潜在層にもアプローチできる

従来の求人広告では「今すぐ転職したい人」しか対象になりませんが、SNS採用なら、転職を考え始めたばかりの潜在層にも情報を届けられるため、将来的な応募者増加につながります。

SNS採用のデメリット

SNS採用には以下のようなデメリットも考えられます。

炎上のリスクがある

不適切な投稿や求職者対応のミスがSNS上で拡散されると、企業のブランドイメージが低下するリスクがあります。特に中小企業はブランド認知度が大手に比べて低いため、ネガティブな評判が広がると採用活動に大きな影響を与える可能性があります。

対策
  • 投稿内容のガイドラインを作成し、企業としての公式な見解や対応基準を明確にする
  • 万が一の炎上時に備えた対応マニュアルを整備し、迅速に対処できる体制を構築する

運用の負担がある

SNS採用は、定期的な投稿や求職者対応が必要なため、担当者の業務負担が増えるというデメリットがあります。SNS運用には時間と労力がかかり、戦略的に運用しないと効果が出にくくなります。

対策
  • 専任の担当者を配置し、業務を明確化する
  • 採用代行サービスを活用し、運用負担を軽減する
  • コンテンツの投稿スケジュールを計画的に立て、継続的な運用を行う

即効性が見込めない

SNS採用は、求人広告のようにすぐに応募者が集まるものではなく、企業の魅力を発信しながら求職者との関係を築いていく長期的な取り組み です。そのため、「SNSを始めたのに応募がない」「すぐに効果を感じられない」と感じる企業も少なくありません。

特にフォロワーが少ない初期段階では、投稿をしても多くの人に届かず、効果が実感しにくい点が課題です。

対策
  • 最低でも6カ月〜1年の運用期間を見込み、長期的な視点で取り組む
  • ターゲット層に響くコンテンツを意識し、エンゲージメント(いいね・コメント・シェア)を増やす
  • 他の採用手法と併用し、SNSだけに依存しない採用戦略を立てる

【主要SNS別】特徴と採用活用法

SNS 日本国内ユーザー数(最新) 特徴 利用者属性
Instagram 6,600万人以上 視覚的に企業文化を伝えやすい 10代~30代、Z世代向け
X(旧Twitter) 6,700万人以上 拡散力が高く、リアルタイム情報発信に適している 10代~40代、転職希望者向け
TikTok 3,300万人以上 動画での採用ブランディングが可能 10代~20代、若年層向け
Facebook 2,600万人以上 ミドル層向けの採用活動に適している 30代以上、ビジネスパーソン向け
LINE 9,700万人以上 求職者と直接コミュニケーションが可能 10代~60代、全世代向け
LinkedIn 400万人以上 ハイクラス・専門職の採用に適している 30代以上、管理職・専門職向け

各SNSには、それぞれ異なる特徴とターゲット層があります。ここからは主要なSNSの概要・利用者傾向・特徴を詳しく解説していきます。

Instagram

写真や動画をメインにしたInstagramは、視覚的に情報を伝えやすいのが特徴のSNSで国内月間アクティブユーザーは6,600万人以上(2025年3月時点)。利用者は10代~30代が多いです。

  • 企業文化や職場の雰囲気を伝えやすい
  • ストーリーズ・リールを活用し、カジュアルな発信が可能
  • 求職者が応募前に企業のリアルな姿をチェックできる

X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は短文(ポスト)をリアルタイムで投稿できるSNSで、国内月間アクティブユーザーは6,700万人以上(2025年3月時点)。高い拡散力を持つのが特徴で、10代~40代を中心に幅広い年齢層が利用しています。

  • 拡散力が強く、企業の認知度を高めやすい
  • リアルタイムの情報発信に適している
  • 求職者との直接コミュニケーションが取りやすい

TikTok

TikTokは短尺動画がメインのSNSで国内月間アクティブユーザーは3,300万人以上。視覚的に訴える採用活動が可能です。10代~20代の若年層が中心に利用しており、エンタメ要素の強いコンテンツが好まれる傾向があります。

  • 社員の1日ルーティン動画などが人気
  • 若年層向けの採用活動に適している
  • 動画の拡散力が高い

Facebook

Facebookは実名で登録することが多いSNSで、国内月間アクティブユーザーは2,600万人以上(2025年3月時点)。ビジネス利用が多く、中途採用向けの採用活動に適しています。利用者は30代以上のビジネスパーソンが多いです。

  • ミドル層の採用に向いている
  • 企業文化や採用イベントの告知に使いやすい

LINE

LINEは日本国内で最も利用者数が多いメッセージングアプリで、国内月間アクティブユーザーは9,700万人以上。求職者との直接的なやり取りに適しています。

10代~60代までほとんどの年代で利用率が高く、幅広い層にリーチできるのが特徴。「LINE公式アカウント」を活用することで、求職者に伝えたい情報の発信が可能です。

  • 求職者とダイレクトにやり取りできる
  • 説明会や選考のリマインド配信が可能
  • 応募のハードルを下げる効果がある

LinkedIn

アメリカ生まれのSNS・LinkedInはビジネス特化型のSNSで、国内利用者数は約400万人です。

実名登録のSNSのため利用者はFacebook同様に30代以上のビジネスパーソンが多く、特に外資系企業やIT業界での利用が活発です。

  • 即戦力の中途採用やハイクラス人材のスカウトに最適
  • 専門職向けのブランディングに活用可能
  • 業界知識を発信し、ターゲット層にアプローチできる

SNS採用の成功事例5選

ここからは、SNS採用(ソーシャルリクルーティング)の成功事例を5つご紹介します。

三井住友カード株式会社

クレジットカード事業を行う「三井住友カード株式会社」ではInstagramで新卒採用アカウントを稼働させており、2025年3月時点で約2,500人フォロワー数を獲得。

内定者・新卒・中途社員の紹介を中心に行っており、社員インタビューによる解像度の高い社風・社員の姿や、内定のアドバイスなども投稿しています。

就活全般で役立つ情報も発信しており、もともと同社に関心がなかった人(潜在層)にもアプローチして応募までつなげられる導線を確保しています。

引用:https://www.instagram.com/smcc_recruit/

株式会社ベルク

関東一都六県に展開しているスーパーマーケット「ベルク」はLINEを使った採用に成功している例で、2025年3月時点で17,000人超の友だち登録を獲得しています。

「リッチメニュー」というトーク画面下のボタンをカスタマイズして他のページにリンクできる機能を活用しているのが特徴のひとつ。友だち追加することでトーク画面上ですべての採用情報を網羅できるため、就活生にとっても便利なツールとして活用されています。

友だち追加のハードルは一定ありますが、追加してもらえればダイレクトメッセージで就活に便利な情報や採用情報を直接届けることができます。関係性構築や親密度を高めていくために非常に有効な手段だといえるでしょう。

引用:https://page.line.me/255ebydd?oat_referrer=PROFILE&openQrModal=true

大京警備保障株式会社

西新宿にある「大京警備保障株式会社」では、TikTokの拡散力を活用した採用を行っています。

アカウントには業務とは関係のない投稿を発信しており、「バズ」によって2025年3月時点で約290万フォロワーを獲得しています。

TikTokのアカウント経由で数十名から応募があり、うち1名は入社にまで至っています。

あくまで宣伝感を取り払ったエンタメ的なコンテンツを投稿。本人たちも楽しんで動画を制作しており、ユーザーが楽しんで視聴できることから、警備という大変そうなイメージを脱却する採用戦略がうまくいった例となっています。

引用:https://www.tiktok.com/@dkykeibi_tokyo

LINEヤフー株式会社

日本最大級のテックカンパニーである「LINEヤフー株式会社」では、LinkedInを使った高いスキルと即戦力を持つ新卒エンジニアの採用に成功しています。

Linkedinのタレントインサイトを活用した市場分析により、攻めるべきエリアの選定と採用の効率化を実現。

さらにダイレクトなアプローチにより、候補者各々に魅力付けを行ってエンゲージメントを強化したところ、企業理念とプロダクトの両方に共感する優秀な人材の採用につながりました。

引用:https://www.linkedin.com/company/lycorpjp/?originalSubdomain=jp

株式会社Sky

主にソフトウェア開発事業を展開する「株式会社Sky」は、X(旧Twitter)を用いた採用活動を行っています。新卒採用とキャリア採用で2つのアカウントを運用し、異なるターゲットに合わせた情報を発信しています。

新卒採用アカウントでは、働き方のスタイルや採用イベント情報など学生が欲しい情報のほか、社員の何気ないつぶやきも発信。暇つぶしで気軽に見れるコンテンツで求職者に親近感をもってもらうのも重要なポイントです。

またリポストキャンペーンなども実施し、効果的に求職者との接点を増やしています。X(旧Twitter)が持つ拡散性をうまく活用した採用戦略といえるでしょう。

引用:https://x.com/sky_recruiting

中小企業がSNS採用で成功するためのポイント

SNS採用は中小企業にとって 低コストで広範囲にリーチできる魅力的な手法ですが、効果を上げるには戦略的な運用が必要です。ここでは、成功のためのポイントを5つ解説します。

ターゲットを明確にする

採用ターゲットを明確にして媒体選びを適切に行うことが、SNS採用成功の鍵となります。

  • 新卒採用なのか?中途採用なのか?
  • どのようなスキル・価値観を持つ人材が欲しいのか?
  • 求職者はどのSNSをよく利用するのか?

例えばZ世代の新卒採用ならInstagramやTikTok、30代以上の転職希望者ならFacebookやLinkein、というように採用したい人材がどのプラットフォームをよく利用するのかを考慮するとよいでしょう。

求職者が知りたい情報を発信する

求職者は求人情報だけでなく、 「実際に働く社員の声」「企業の雰囲気」「社内の文化」 に興味を持っています。

発信すべき情報の例

  •  社員の1日ルーティン動画(TikTok・YouTube向け)
  •  オフィスの雰囲気や働き方を紹介する投稿(Instagram向け)
  •  経営者や採用担当者が企業のビジョンを語る投稿(X・LinkedIn向け)

このように、SNSの特性を活かしながら、求職者が「この会社で働きたい!」と思うようなコンテンツを発信しましょう。

双方向のコミュニケーションを意識する

SNS採用は、一方的に情報を発信するだけではなく求職者とのやり取りが重要 です。

  • DM(ダイレクトメッセージ)で求職者の質問に回答する
  • コメントに対して積極的に返信する
  • ライブ配信で採用担当者や社員が直接求職者と交流する

このように、求職者と直接コミュニケーションを取ることで、応募へのハードルを下げ、企業に対する親近感を高めることができます。

効果測定・改善を行う

SNS採用はデータ分析をしながらPDCAを回すことが大切です。

チェックすべき指標の例は以下のようなものがあります。

  • 投稿のエンゲージメント率(いいね・コメント・シェアなど) → どんな投稿が求職者に刺さるか?
  • フォロワーの属性 → アカウントがどの層にリーチしているか?
  • 実際の応募数・採用数 → SNS経由でどれだけの応募があったか?

SNSごとのアナリティクス(Instagramインサイト、Xアナリティクスなど)を活用し、効果の高い施策を続けましょう。

継続する

SNS採用は 短期間で成果が出るものではありません。一定の認知度がつくまでに 最低でも半年~1年は継続運用することを前提に取り組む必要があります。

特にフォロワーが少ない初期段階 は、効果が出にくいと感じるかもしれません。しかし、継続することで 求職者にとって「応募しやすい企業」になる ため、長期的な視点で取り組みましょう。

SNS採用を活用し自社に合った人材を獲得しよう

SNS採用は、中小企業でも低コストで効果的に実施できる採用手法 です。各SNSの特性を理解し、ターゲット層に合ったプラットフォームを選ぶことで、より多くの求職者にアプローチできます。

短期間で成果が出るものではありませんが、継続して運用して企業のブランディングを高めることで、「この会社で働きたい」と思う求職者との出会いを増やすことができます。

これからSNS採用を始める企業は、まず自社のターゲット層を明確にし、最適なSNSを選び、定期的な情報発信を行うことから始めてみましょう!

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従業員50名ながら年間5,000名以上のエントリーを獲得している実績を活かし、採用支援の仕組みづくりから運用まで伴走。最適な採用戦略をご提案いたします。
「応募が集まらず、採用に時間とコストがかかっている」
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※この記事は2025年3月時点の情報をもとに作成しています。