現在、日本でよく利用されている検索エンジンは、Google、Yahoo!Japan、Microsoft Bingの順となっており、シェアも上記3つの検索エンジンの合計で98%を超えています。Yahoo!Japan は2010年に Google の検索エンジンを採用したため、Bing のシェア約7%を差し引くと、実質 Google のシェアが90%を超えた独占状態となっています。
独占市場であるがゆえに、新たな検索エンジンのシェア獲得は大変難しい状態と言われていますが、新たな価値観を打ち出すことにより、わずかながらにシェアを獲得した検索エンジンがあります。

今回は、検索エンジン界隈では名前が知られてきたDuckDuckGo(ダックダックゴー)と、支持を広げつつある価値観についてまとめています。

DuckDuckGo(ダックダックゴー)とは?

DuckDuckGoとは、2008年9月25日に公開された検索エンジンで、日本語を含む95ヶ国語に対応。利用者のプライバシーの保護と利用履歴等を記録保存しないことを運営方針としており、利用者のIPアドレスなどユーザーの情報は保存せず、Cookieも必要最低限しか使用しない仕様となっています。海外ではVivaldiやTor Browserといった一部のブラウザの標準検索エンジンとしても採用されています。

共感が広がる運営方針

DuckDuckGoは2020年時点で前年比30%の成長率となっており、この先の5年間で1億ドル以上の収益となることを見込んでいます。成長の原動力は、「利用者のプライバシーの保護と利用履歴等を記録保存しない運営方針」であると考えられ、この運営方針は個人情報保護を重視する世界的な潮流に沿っていると言われています。

フィルターバブル問題の対策

フィルターバブル問題とは、検索エンジンがネット利用者個人の検索履歴等を分析・学習することで、ユーザーの価値観に合う情報が優先的に表示され、反対にユーザーの観点に合わない情報からは隔離されることで、自身の考え方や価値観の「バブル(泡)」の中に孤立する情報環境を指します。
総務省情報通信白書

ここでいう検索エンジンとは、GoogleだけでなくFacebookやInstagramなどのSNS内の検索エンジンも含まれています。自分の興味関心がある情報に囲まれる体験は、Googleよりも各SNSの方が顕著に感じられるのではないでしょうか。

Googleの場合は、クッキー、履歴、キャッシュ等を毎回消去する仕様になっているシークレットモードを利用することで、フィルターバブルの対策をすることができますが、DuckDuckGoは元々ユーザー情報を保存や利用をしないため、フィルターバブルを問題視するユーザーからの共感と支持を集めています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?現在はGoogle一強となっている検索エンジン市場ですが、世界的な価値観の変化に伴い、DuckDuckGoのような検索エンジンが大きくシェアを伸ばしてゆく可能性があります。今後、企業のWebマーケティングにおける個人情報の取り扱いにもつながるテーマになってきますので、DuckDuckGoの切り口から、インターネット上におけるプライバシーの保護について関心を持つきっかけにしてみてはいかがでしょうか。