
※このコラムの最終更新日 2025年8月29日
今回のコラムは、病院ホームぺージの記載に制約がついた「医療広告ガイドライン」の更新について解説します。概要からホームぺージ制作・更新時のチェックポイント、公的な相談窓口までまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
医療広告ガイドラインの概要
2018年6月、医療法における病院等の広告規制について厚生労働省所管のガイドラインが更新され、病院ホームぺージの記載に制約がつきました。2025年9月現在、以下の医療広告ガイドラインが最新版となっています。
※参考:医療広告ガイドライン
医療広告ガイドラインがホームぺージに適用された経緯
元々、医療に関する広告(チラシや看板等)については、昭和23年に公布された「医療法」において規定され、制限を設けられていました。ホームぺージについては関係団体による自主的な取組み(ガイドライン)があったものの、規制は存在しませんでした。
その後、美容医療に関する相談件数が増えたことを受け、ホームぺージ上で誤解を招く広告表現を規制するため、医療広告ガイドラインが更新されます。ホームぺージも他の広告媒体と同様に規制の対象とし、是正命令や罰則等が適用されることになりました。
医療広告ガイドラインの対象になる媒体
- チラシ、パンフレット、その他これらに類似する物によるもの(ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)
- ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオンサイン、アドバルーンその他これらに類似する物によるもの
- 新聞紙、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備による放送を含む。)、映写又は電光によるもの
- 情報処理の用に供する機器によるもの(Eメール、インターネット上の広告等)
- 不特定多数の者への説明会、相談会、キャッチセールス等において使用するスライド、ビデオ又は口頭で行われる演述によるもの
元々のガイドラインが古くからあるため、なじみの薄い媒体も掲載されていますが、「広告」の要素を含む全ての媒体と認識してください。
「広告」と銘打っていますが、費用が発生する広告出稿の時のみ守るべきガイドラインではありません。平時からホームぺージに記載している内容まで「広告」として扱われ、ガイドラインの対象となります。
費用をかけて広告宣伝をしていないから大丈夫という話ではないため、要注意です。
医療広告ガイドラインで気を付けるポイント
それでは、特にホームぺージに掲載する内容で、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。ホームぺージには、広告可能表現と呼ばれる「客観的な評価が可能」で「事後の検証が可能」な事項のみ記載することができます。
医療機関で広告禁止されている表現

医療機関の広告においては、以下のような表現が禁止されています。
- 虚偽広告
- 比較優良広告(他の病院との比較表現)
- 誇大広告
- 患者の主観に基づく、治療等の体験談
- 患者を誤認させる恐れのある広告
- 公序良俗に反する内容の広告
例えば、「必ず痩せられる」「100%完治する」といった根拠のない訴求は誇大広告に、「地域で1番効果が高い」というような表現は比較優良広告に該当します。
ありがちな禁止表現例
ここからは、医療広報においてよく使われやすいにも関わらず、実は禁止されているありがちな表現の例を紹介します。
誇大表現(「最先端」「最適」など)
「最先端」や「最適」といった表現は誇大広告に該当するため、「最先端の医療」や「最適な治療」などの表現は使用できません。
「〇〇センター」
「〇〇センター」はよく使用される表現ですが、実は使用するための条件があります。以下のいずれかを満たしていなければ、「センター」を名乗ることはできません。
- 一定の医療を担う医療機関(救急救命センター、休日夜間急患センターなど)
- 地域における中核的な機能、役割を担っていると都道府県に認められている
ビフォーアフター写真
施術や治療前後の写真を加工して施術効果を過大に見せることは、虚偽にあたるため禁止されています。ただし、治療結果の分析を行っている旨を証明できる、あるいは当該分析の結果を提供する目的である場合は、ビフォーアフター写真を掲載することが可能です。
キャンペーン・プレゼント
「〇〇円OFFキャンペーン実施中」などと費用を強調したり、「〇〇をプレゼント」というように、医療の内容とは直接関係していない事項で自院へ誘導する広告も使用できません。患者に誤認を与える恐れがあるとされているためです。
最上級表現(「日本一」「No.1」など)
自らの病院が他の医療機関よりも優良である旨を記載することは、認められていません。「日本一」「No.1」などの最上級の表現は、たとえ事実であったとしても、優秀性について著しく誤認を与えるおそれがあるため、比較優良広告として禁止されています。
医療広告ガイドラインにおける「限定解除」とは
医療広告ガイドラインで禁止されている表現であっても、一定の条件を満たすことで「限定解除」が適用され、ホームぺージへの記載が可能になる場合があります。
限定解除の条件は以下のように細かく設定されていますので、ホームぺージの制作や更新を行う場合は十分に注意しなければなりません。
- 患者等が自ら求めた情報を表示するウェブサイト等であること
- 問い合わせ先を記載・明示すること
- 自由診療に関する治療内容、費用等について情報提供していること
- 自由診療に関する主なリスク・副作用を記載すること
なお、「限定解除」によって掲載が可能になる表現の例を、以下に挙げています。
- 「〇〇外来」の表記
- 未承認医薬品・医療機器を用いた治療
- 医薬品・医療機器の販売名
- 治療効果(ビフォーアフター含む)
- 学会が認定する研修施設であること
- 「総合診療科」
- 「認定医」「指定医」「専門医」
- 「産業医」
- 手術件数
- 「審美治療」
- 適応外使用 ex.プラセンタを用いた美容治療
- 再生医療
違反広告が見つかった際の対処方法
厚生労働省では、医業などに係るウェブサイトの監視体制強化事業として、「医療機関ネットパトロール」という委託事業を行っています。
一般からの情報提供も受け付けており、違反の疑いがあるホームぺージが見つかると、評価委員会から医療機関に対して通知が届きます。万が一通知が届いた場合は、適切に修正を行えば問題ありません。
通知から約1ヶ月後、委員会による改善状況確認が行われますが、未修正や修正内容が認められない場合は、委員会から自治体へ報告されます。
中止命令もしくは是正命令に従わなかった場合には、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金といった行政処分の対応が取られる可能性があるため注意してください。
ガイドラインに抵触していないかどうか確認する方法
自院のホームページが医療広告ガイドラインに準じているか確認したい場合は、同じ地域内にある保健所までお問い合わせください。
※参考:保健所所管区域案内|厚生労働省
改訂に備えてガイドラインを定期的に確認しよう
医療広告ガイドラインが更新されて以降、医療機関にはガイドラインに準じたホームぺージの修正やリニューアルが求められます。医療広告ガイドラインは今後も更新される可能性があるため、漏れなく対応できるよう定期的にチェックを行いましょう。
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