
現在では、顧客や取引先が企業に関心を持った際、まず最初にコーポレートサイトを訪れて情報を確認することが一般的です。そのため、コーポレートサイトは企業の「顔」として機能し、信頼性やブランドイメージを形成するためには欠かせない営業ツールとなっています。
しかし、コーポレートサイトを構えれば必ずお問い合わせが増えたり売上に繋がったりするわけではありません。成果に繋げるためには、サイトの構成をしっかりと設計し、ユーザーに企業の情報を的確かつ効率的に伝えるための工夫が必要です。
そこで本記事では、成果の出るコーポレートサイトにするために重要なサイト構成について詳しく解説します。サイト構成の重要性や成果を出すためのポイント、参考事例などを紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
コーポレートサイトの構成が重要な理由
まずはじめに、コーポレートサイトの構成がなぜ重要なのかについて解説します。サイト構成が重要な主な理由は、以下の通りです。
- SEO(検索エンジン最適化)の効果がある
- UX(ユーザーエクスペリエンス)が向上する
- ブランドイメージが向上する
- 管理や更新がしやすくなる
SEO(検索エンジン最適化)の効果がある
コーポレートサイトからお問い合わせを増やしたい場合、狙ったキーワードで検索された際に上位に自社サイトを表示させることが重要です。そのためには、SEO対策が欠かせません。
SEO対策とは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)のことで、検索エンジンのアルゴリズムを考慮してサイトの構成やコンテンツを最適化するための施策です。サイト構成をしっかりと設計し、整理されていれば、検索エンジンがページの内容を理解しやすくなり、SEO効果が高まります。
UX(ユーザーエクスペリエンス)が向上する
多くのアクセスを獲得できたとしても、ユーザーが求める情報がなかったりアクションに繋げられなかったりすれば、成果にはなかなか繋がりません。訪問したユーザーをしっかりお問い合わせに繋げるためには、UXを向上させることが重要です。
UXとは、ユーザー体験(User eXperience)のことで、ユーザーがサイトに訪問してから、回遊・アクションに至るまでの使いやすさや情報の見つけやすさのことです。優れたUXは、ユーザーにストレスを与えることなく、スムーズに求める情報を提供したりアクションを誘発したりする効果があります。
サイト構成はUXの土台となる要素であり、わかりやすく整理された構成が、ユーザーに快適で満足のいく体験を提供するために重要な役割を果たします。
ブランドイメージが向上する
サイト構成がしっかりしているコーポレートサイトは、ブランドイメージを向上させる効果があります。コーポレートサイトは、企業の「顔」としての役割を果たし、ユーザーに対して企業の信頼性や専門性を伝える重要なツールです。
サイト構成が整理され、情報がわかりやすく配置されていると、ユーザーはストレスなく必要な情報にアクセスでき、企業に対する好印象を持ちやすくなります。一方で、サイト構成が複雑で情報が見つけにくい場合、企業の信頼性やイメージが損なわれ、ユーザーにネガティブな印象を与えてしまう可能性があるので注意が必要です。
管理や更新がしやすくなる
サイト構成が整理されていると、ページやコンテンツが体系的に分類されているため、管理者がどの部分を更新すべきかすぐに把握できるようになります。例えば、「会社概要」「製品・サービス」「採用」といったカテゴリが明確で、それぞれのページが適切な階層に配置されていると、新しい情報を追加したり古い情報を更新したりする作業が効率的に進められます。
また、構成が整っていることで、新しいページやコンテンツを追加する際にも、既存のサイト内でどこに配置すれば良いかが判断しやすくなるでしょう。そのため、サイト全体の一貫性を保ちながら更新作業を進めることができます。
コーポレートサイトの基本的な構成要素

続いては、コーポレートサイトに掲載すべき基本的な構成要素を解説します。
TOPページ
TOPページは、リッチなデザインでサイトの質感やブランドイメージをユーザーに伝える重要な役割を果たします。一般的には、サイトの中で最もよく見られるページで、ユーザーが1番最初に着地するページ(ランディングページ)になることも多いため、TOPページで企業に対するイメージが決まるといっても過言ではありません。
TOPページは下層ページへの導線としての役割がありますが、企業の強みや世界観を表現するコンテンツを掲載しているサイトもあります。サイトの目的やブランドイメージに合わせて、掲載するコンテンツを検討しましょう。
会社概要
会社概要では、会社の基本情報やアクセス情報、企業理念や代表メッセージなどを掲載します。BtoBサービスを提供する会社のコーポレートサイトでは、企業の信頼性や規模、経営方針を確認するために見られることが多くあります。
会社概要は信頼性を与えることが最重要なので、デザインや装飾は控えめでシンプルなものにし、情報の正確性や権威性を優先しましょう。「主要取引先」や「各種許認可」などの情報を記載することで、権威性や専門性を示すことができるのでおすすめです。
製品・サービス情報
製品・サービス情報は、自社が提供する製品やサービスの特徴や価値をわかりやすく伝え、ユーザーの興味を引きつけて購入やお問い合わせに繋げる重要な役割を担っています。自社の製品やサービスが提供する価値を明確に伝えることで、他社と比較された際にも強みが際立ち、お問い合わせに繋がる可能性が高まります。
製品・サービス情報では、ユーザーが探している情報に迷わずアクセスできるように、ユーザーが想定する一般的なカテゴリ分類を意識して、情報を整理することが重要です。状況に合わせて写真や動画、イラストなどの視覚的な情報を取り入れて、具体的なイメージを掴んでもらえるような工夫も欠かせません。
事例・実績紹介
事例・実績紹介は、企業が提供する製品やサービスの実績を具体的に示し、信頼性や専門性を伝える重要なコンテンツです。 導入事例を通じて、製品やサービスがどのような課題を解決し、どのような価値を生み出すかを具体的に伝えることで、ユーザーの信頼感を高めると同時に、お問い合わせや契約への後押しを行います。
ページ構成では、「課題」「導入の決め手」「解決策」「導入後の効果」といったストーリー形式を取り入れると、ユーザーの興味を引きやすくなります。また、具体的な数字や成果、実際の顧客の声、写真などを活用することで、説得力を高めることができます。
さらに、業界やカテゴリ別に事例を整理して探しやすくすることで、ターゲット層が自分に合った情報にアクセスしやすい構成を意識することも重要です。
新着情報
新着情報は、企業の最新情報を発信し、活動をアピールする役割を持ちます。製品・サービスのリリース、イベント情報、採用情報などを掲載することで、顧客や取引先に適切な情報を提供し、企業の活動を発信することができます。
構成のポイントとしては、カテゴリ分けを行い、更新日やタイトルを明確に表示することで、必要な情報を探しやすくすることが重要です。定期的に情報を更新することで、サイトの鮮度を保ち、SEO対策にも貢献します。
採用情報
コーポレートサイトは、求職者を募集するためにも重要なツールです。採用情報で企業の魅力を伝え、優秀な人材の応募を促しましょう。
採用情報では、企業理念や職場環境を紹介し、求職者が企業とマッチするか判断しやすい情報を提供することが大切です。社員インタビューや社内イベントの写真を活用し、リアルな働き方を伝えることで、求職者の不安を解消できます。
お問い合わせフォーム
お問い合わせフォームは、企業とユーザーを繋ぐ重要な窓口であり、スムーズなコミュニケーションを実現する役割を担います。 商談やパートナーシップの機会を増やし、顧客満足度を向上させるために、使いやすい設計が求められます。
入力項目は最小限にし、「製品・サービス」「採用」などのカテゴリ分けを行うことで、適切な部署がスムーズに対応できます。また、自動返信機能を実装し、お問い合わせ完了後に受付を通知することで、ユーザーの安心感を高めます。
さらに、個人情報の取り扱いについて明記し、プライバシー保護にも配慮することが重要です。シンプルでわかりやすいフォームを設計し、お問い合わせしやすい環境を整えることで、ビジネスの機会創出に繋げられます。
その他
これまで紹介してきたコンテンツ以外にも、企業の規模や状況に合わせて、以下のコンテンツを掲載しましょう。
コンテンツ | 概要 |
---|---|
個人情報保護方針 | 企業が取得した個人情報の取り扱い方針を明示し、利用目的や管理方法を説明するコンテンツ。 |
IR情報 | 上場企業が投資家向けに企業の財務状況や経営戦略、決算情報などを公開し、透明性を高めるためのコンテンツ。 |
社員紹介 | 実際に働く社員の経歴や業務内容を紹介するコンテンツ。 |
サイトマップ | コーポレートサイト内の全ページを一覧表示し、ユーザーが目的のページに素早くアクセスできるようにするコンテンツ。 |
よくある質問 | ユーザーから寄せられる疑問や問い合わせの多い内容を整理し、わかりやすく回答することで利便性を向上させるコンテンツ。 |
成果の出るコーポレートサイトにするためのポイント

成果の出るコーポレートサイトにするためには、構成を作る際に以下のポイントを意識することが重要です。
- SEOを意識する
- カスタマージャーニーを意識する
- ユーザー目線のコンテンツ設計を意識する
SEOを意識する
成果の出るコーポレートサイトにするためには、SEOを意識した構成が重要です。 適切なサイト構成を設計することで、検索エンジンに正しく認識されやすくなり、検索結果での上位表示が期待できます。
具体的には、主要なキーワードを適切に配置し、「会社概要」「製品・サービス」「採用情報」などのページを論理的に整理することが大切です。また、内部リンクを最適化し、ユーザーがスムーズに情報へアクセスできるようにすることで、SEO効果とUXの向上を両立できます。
検索エンジンとユーザーの両方にとってわかりやすい構成にすることで、アクセス増加とお問い合わせ増加に繋がるでしょう。
カスタマージャーニーを意識する
カスタマージャーニーとは、ユーザーが製品やサービスの情報を知り、購入やお問い合わせに至るまでの行動や思考のことです。認知・興味・比較・検討・決定といった段階を経て行動するため、ユーザーのフェーズごとに適切な情報を提供できる構成にすることが重要です。
例えば、「製品・サービスの強みを紹介した後にボタンを設置してお問い合わせフォームへ誘導する」「競合との比較表を掲載して優位性をアピールする」などです。各フェーズごとに適したコンテンツを用意し、ユーザーがスムーズに次のアクションへ進めるように設計することができれば、自然な流れでお問い合わせに繋げることができるでしょう。
ユーザー目線のコンテンツ設計を意識する
ユーザーが求める情報と、企業が伝えたい情報は必ずしも一致するとは限りません。そのため、ユーザー目線のコンテンツ設計を意識した構成が重要です。
また、簡潔でわかりやすい文章や、視覚的に理解しやすいレイアウトを採用することで、情報の伝達力を高めます。ユーザーが必要な情報にスムーズにアクセスできる構成にすることで、信頼性の向上やお問い合わせ増加に繋がるでしょう。
コーポレートサイトの参考事例
ここからは、コーポレートサイトの参考事例として3つのコーポレートサイトを紹介します。
豊通物流株式会社

豊通物流株式会社のコーポレートサイトは、ユーザー目線のコンテンツ設計と導線を意識して制作されており、迷わず直感的に操作できることが大きな特徴です。多種多様なサービスを提供していることから、ユーザーが目的とするページにすぐに辿り着けるように、「サービスから探す」と「目的から探す」の2つの切り口でサービス情報に誘導しています。
また、ブランドイメージを確立させるために、「トヨブツの約束」と題したスペシャルコンテンツを掲載。ブランドムービーや3D表現を用いたメッセージで、訪れたユーザーに強烈なインパクトを与えています。
株式会社I-ne

株式会社I-neのコーポレートサイトは、ブランドイメージの訴求、ユーザー目線の導線設計、採用ページの工夫など、成果を出すためのポイントがしっかりと押さえられている良い参考例です。多様な情報を掲載する中で、複雑化しやすいIR情報やサステナビリティに関するコンテンツもしっかりと整理され、必要な情報に簡単にアクセスできる構成になっています。
また、サイトの様々なところに自然光を生かしたナチュラルな写真を散りばめ、視覚的にブランドイメージを印象付けています。これらの工夫が評価され、2024年に行われた第12回Webブランプリ「企業グランプリ部門」の、コーポレートサイト賞でグランプリを受賞しています。
J.P.Returns株式会社

J.P.Returns株式会社のコーポレートサイトは、「マンション投資をあたりまえに。」というコンセプトがデザインや構成にしっかり反映されたコーポレートサイトです。マンション投資初心者をターゲットとしており、ファーストビューで初心者の方が気になる情報にすぐにアクセスできる導線を設置するという工夫が施されています。
また、豊富なコンテンツがあるにも関わらずユーザーが直感的に操作できるよう、イラストを多く使用していることも特徴で、UXにもしっかりこだわっていることが伝わります。難しいと思われがちなマンション投資というジャンルのサイトでも、誰もが親しみやすいように、ユーザー目線で設計された良い参考例と言えるでしょう。
コーポレートサイトの制作・リニューアルはプロに相談を
コーポレートサイトの構成は、企業の信頼性を高め、ユーザーの満足度を向上させるために非常に重要です。 構成が適切であれば、訪問者が求める情報にスムーズにアクセスでき、お問い合わせ増加やブランドイメージ向上に繋がります。
しかし、SEOやUXを考慮しつつ、自社の強みや特徴をわかりやすく伝えるサイトにすることは容易ではありません。効果的なサイト設計には、ユーザー行動の分析、デザインの最適化、最新のSEO対策など、専門的な知識と経験が必要です。
そのため、コーポレートサイトを制作する場合は、サイト制作のプロに相談することをおすすめします。
株式会社フリースタイルエンターテイメントは、ユーザーの使いやすさを考慮し、最新のSEOやUXの知見を反映した、成果に繋がるコーポレートを制作します。サイトの企画・構成から、デザイン、コーディング、運用まで一気通貫でサポート可能なので、ぜひお気軽にご相談ください。