「Appleが『ペガサス(Pegasus)』という自社独自の検索エンジンを開発している」

Appleの情報通であるMark Gurman氏が2023年10月1日に投稿したXの内容が反響を生んでいます。

しかし、この情報が出てからあまり時間が経っておらず、インターネット上にもペガサスに関する情報はほとんど出回っていません。

そこで本記事では、ペガサスが開発された背景から、ペガサスとGoogleの関係性、ペガサスが私たちの生活にもたらす影響まで、幅広く解説いたします。
※2023年12月20日 現在の情報

ペガサス(Pegasus)開発の背景

ペガサス誕生の背景には、IT業界最大手であるGoogleが大きく関わっています。

現在、AppleはiPhoneのデフォルトのWebブラウザsafariに使用する検索エンジンにGoogleを採用しています。この契約により、AppleはGoogleから毎年80億ドルから120億ドル近くの収入を得ているといわれており、Appleの売上の大部分をGoogleが占めていることが推測できます。

しかし、このようなGoogleと各スマートフォンメーカーとの検索エンジンに関する契約は、事実上オンライン検索やオンライン広告の市場を独占する行為とみなされ、2020年10月20日に反トラスト法違反(日本の独占禁止表に相当)の疑いでアメリカの司法省にGoogleは提訴されています。

2023年9月12日からその公判が行われており、もし提訴が認められれば、AppleはGoogleとの契約を破棄しなければなりません。ただし、Googleという巨大な検索エンジンの代わりを見つけるのは容易ではないでしょう。

そこで、Appleが数年前から開発に取り組んでいる自社独自の検索エンジン「ペガサス」です。

もしAppleがペガサスの開発に成功すれば、デフォルトの検索エンジンが自社製になり、検索画面に表示される広告枠を自社で販売できます。それにより、Googleとの契約に左右されない資金源を獲得できるようになります。

実際、ペガサスがGoogleに匹敵する巨大な検索エンジンになることは簡単ではありませんが、Appleはペガサスによって多くの利益を獲得できる可能性があります。

ペガサス(Pegasus)による検索機能の向上

Appleは入力したキーワードに則したデータが端末(インストールされているアプリ・画像・音楽・メール等)やネット上にあるかどうかを表示してくれるSpotlightという機能を開発しています。

SpotlightはiOS 14およびiPadOS 14でアップグレードされ、Web検索の精度と速度の向上に大幅に貢献しました。ペガサスはそのアップグレードを基盤としているため、ペガサスの搭載は、ユーザーにより迅速かつ、正確な検索結果をもたらす可能性があります。

既にペガサスはAppleの一部のアプリに統合されており、さらに広く採用されていく予定なので、今後さらなる検索機能の向上が期待できます。

ペガサス(Pegasus)には生成AIも組み込まれる?

Appleはペガサスに生成AIを組み込むことで、さらに進化させようとする動きも見せています。

この動きにはGoogleの元幹部で、現在Appleで機械学習とAIの開発を統括するJohn Giannandrea氏が大きく関わっています。ペガサスに生成AIが上手く組み込まれた場合、ユーザーのクエリに対してより適切で、関連性の高い情報を提供できるようになるでしょう。

ペガサス(Pegasus)の収益モデルについて

前述の通り、Appleはペガサスで収益獲得を図る方法として、「広告」という選択肢に着目しており、この点に関しては、Googleやその他の検索エンジンが行ってきた収益モデルと大きな変化はありません。

Appleは広告テクノロジー部門を強化し、既にApp Storeに検索広告機能を導入したり、ニュースや株価、天気などのアプリで広告を配信したりと、試験的に動き出しています。

加えて、Appleは数年前からApple botという名前のクローラーを導入しており、SiriやSpotlightなどで利用されています。つまり、既にWebサイトのインデックス作成も自社でできる体制にあるというわけです。

以上から、AppleはWeb検索広告で収益を上げるために必要な機能と体制を着実に揃えつつあることがわかります。

Appleの今後の動向に注目!

ペガサスはAppleが開発する初めての独自検索エンジンであり、実際に導入が決まれば、多くのMacユーザーやiPhoneユーザーの検索行動に影響を及ぼすでしょう。

現段階ではまだペガサスは発展途上です。今後どのような機能が搭載されていくのか、Appleの動向に注目です。